【症例報告】アキレス腱周囲炎、痛みとその原因

宇都宮市JR岡本駅近くで根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。症状の緩和はもちろん、可動域向上・強化・動作改善により「症状が出る前より強い身体」を作ることを目指します。

 

先日、治癒に至った症例がありますので報告させていただきます。

そのまえに【治癒】と【完治】の違いについて。

当院で定義しているものと医学的に定義しているものではちょっと違う点もありますが、その辺は聞き流してください。

【治癒】とは…

患者さんの目標に到達した時点。たとえば、その患者さんの目標が「走れるようになりたい」なら「普通に走れるように回復したところまで」。当院では医学的にみて8割9割の回復程度でも目標に達成すれば『治癒』としています。

【完治】とは…

医学的に観て100%回復したと判断できた場合。下腿部(ふくらはぎ)の肉離れで言えば、切れた場所がくっついてシコリもなくなって反対側のふくらはぎと同じくらい筋力が戻って伸ばしても左右差がなくなったたところ。(おおまかですが)

たとえば、ふくらはぎを肉離れした方が「とりあえず歩けるようになればよい」という目標なら歩けるようになった時点で治癒。もう少し回復させて健側である反対側と同じくらい筋力が戻って伸ばしても左右差なければ完治。

といった感じて定義しています。

で、今回は【治癒】に至りました。回復具合的に言えば9割くらいになっていると判断しています。

17歳男性。高校生。陸上部。右アキレス腱の痛み

・400mと800mが専門。

・1か月半くらいまえの合宿中に違和感を覚え、痛みに変わり、休んで痛みが引いてまた走ると痛みが出るの繰り返し。

・違和感が出て1か月後に整形外科を受診。アキレス腱周囲炎の診断。

・整形外科では温罨(温めること)とマッサージを受けていた。

・結局、休んで走ってもまた痛くなることに変わりなく先輩に「鍼治療したら?」といわれ鍼灸院を探して当院を見つけ来院。

気になった点

・アキレス腱および周囲の腫脹(腫れのこと)

・右足部内側縦アーチの低下(土踏まずが落ちている)

・横隔膜機能の低下(腹式呼吸がうまくできない)

・左鼠径部の過緊張(ビキニラインあたりが緊張している)

・左股関節の可動域低下(左の股関節が硬い)

・胸椎での左回旋可動域低下(上半身を左にひねれない)  など

当院の見立て

体幹部の左回旋で制限があるため、左の骨盤が前方にローリングできず、結果として右足(とくに下腿部)で地面を蹴る走り方になっていると予測できる(平たく言えば、左の上半身がひねれないから骨盤が回らなくて右足ばかりがんばって蹴って走っちゃってる、みたいな感じ)。

もう少し深く診れば、体幹部の左回旋制限は横隔膜機能が低下・左大腰筋抑制・左腸骨前傾・左股関節不安定・体幹部で言えばアウターメインの動きになっているところからも関連性を疑う(運動連鎖的な観点から)。

施術アプローチ

まずは患部の鎮痛消炎のために鍼治療を含めた施術と、患部以外である胸椎の左回旋を阻害している部分と横隔膜に徒手でアプローチ。トレーニングは横隔膜呼吸の再教育・左ハムストリング&中臀筋の強化・中位胸椎の可動域訓練・短母趾屈筋の強化などをおこないました。

施術計画としては3~5回程度で普通に走れるところまでいけると判断。

2回目の施術終了時に患者様本人の感覚としてかなり回復したと思ってしまい、球技大会のバスケで無理をしてやや後退(正直、この時点で5回目での治癒は諦めました苦笑)。

その後、なんとか5回目の施術で患部の炎症性の症状も見られなくなり、体幹部の左回旋も左右差がなくなり、その他基本的動作としては回復したと判断し『治癒』としました。

ここまでで直近の悩みに対する集中的な施術は終了です(約2週間で5回の治療をしました)。ここから10割の回復まで持っていく、または直接的にパフォーマンスを上げることを考えた場合、今後も定期的な施術は必要ですが直近の目標であった「走れるようになる」ところまで回復したので第1段階は終了です。

最後に

ここまで専門用語を並べて書いてしまいましたが、私がもっとも言いたいのは、

『繰り返す痛みは結果であって必ず他に原因があります。その原因を治さないと結局は繰り返します。痛みを取るだけでは治ったとは言いませんよ?トレスではそういった治療をしています。他の治療院との違いはそこです。』

これがしたい!これができるようになりたい!何かを変えたい!そんな方はご相談ください。私がなんとかします。