【症例報告】腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状

宇都宮市JR岡本駅近くで根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。症状の緩和はもちろん、可動域向上・強化・動作改善により「症状が出る前より強い身体」を作ることを目指します。

 

先日まで集中的に施術をおこなっていた腰椎椎間板ヘルニアの方の症例報告です。

主訴:右のお尻からハムストリングのしびれ

・40代男性 会社員 宇都宮市内在住 市民ランナー

・趣味のマラソンで約半年前にウルトラマラソンを走ってから右のお尻からハムストリングのしびれを発症。

・整形外科で検査し、直近で手術する必要がないものも、経過次第では「要検討」と言われた。

・3か月ほど整形外科に通院し、初期の歩けないほどの症状はなくなったものの、依然としてランニング再開のめどが立たず別のアプローチがないかと探し当院に来院。

・目標はランニングの再開。また大会に出たい。(初検時は小走りもつらい状態でした)

当院での見立て

・ヘルニアに対するバイオメカニカル的な徒手検査をおこなった後、SFMAでの動作のアセスメント(評価)をおこないました。

・既往歴としては右足首の捻挫(軽度)があり、その後同側の腸脛靭帯炎を患ったこと有り。

・長距離のランニング後に腰痛を感じることはあったものの、足のしびれを感じたのはヘルニアを発症してから。

・前かがみになれないため、靴下を履く際は座った状態でないと不可能。

局所的なところでは、病院での診断から半年経過し運動を控えていることなども関係し、腰部の筋肉が過度に緊張している、ということはなく逆に使わなかったことによる萎縮がある印象。この時点で時間をかけて一から体を作り直す必要がありました。

全身的なところでは足関節捻挫の既往があり、軽度だったこともあり病院を受診しただけで治療はしなかったとのことで足部の機能低下を疑いました。実際に足部のバイオメカニカルテストではうまく機能していないことが分かりました。おそらく以前に腸脛靭帯炎を患った際にも足部の機能低下がなんらかの原因となっていたことが予想できます。

また、患側の足部の機能が低下していることにより、SFMAによるアセスメントでは患側の運動連鎖がうまくいっていない兆候も見られたため、①ヘルニア自体の治療②足部の機能回復③運動連鎖の再教育が必要と判断しました。

当院での施術内容

①腰部への局所的なリリースによるヘルニアへのストレス軽減(関連する筋肉のリリースと鍼治療、超音波療法など)

②足部機能回復のためのモビリティ獲得のための施術とエクササイズの処方

③運動連鎖の再教育のためのエクササイズおよびトレーニング(まずは寝た状態から始まり最終的に立った状態へ移行)

おおまかにはこのようなアプローチをとりました(文章で説明するのが難しい…)。

来院初期は3~4日おきに通院していただき施術とパーソナルトレーニングを行い、自宅でおこなうコレクティブエクササイズを処方しました。

経過

徐々に前屈位が取れるようになってきた段階で週1回ペースの通院とし、自宅でのエクササイズを継続。それと並行してエアロバイクなどの軽負荷での有酸素運動を開始。

立位前屈位で指先が爪先に届く程度まで回復し、また、患側への荷重に問題がなくなったところで5分のジョギング(キロ8分程度)から再開し、現在は30分(同)のジョギングができるところまで回復しました。

ここまでの段階で約2か月、10回の施術回数がかかっています。

たらればですが、病院での診断後、早い段階で(腰部周辺の筋委縮が起こる前に)施術を開始できていればもう少し早くジョギングが再開できたのかもしれません。

一般的に委縮した筋肉を回復させるにはトレーニングを始めて6週間以降に変化が現れると言われています。

この方に関しては、今のところしびれを感じず走れるところまでは来ましたが、まだペースを上げる(負荷をかける)ところまでは回復していないので、今後、徐々に負荷をかけていき、ヘルニアを発症する前のペースであるキロ5分で走れるところを目標に来院を継続していただき、レース復帰を達成していただきたいと考えています。

最後に

・3,4日経っても痛みやしびれが治まらない場合には、それは単なる筋肉痛ではない事が多いので、早めに医療機関を受診するか専門家に相談しましょう。

・病院で運動を制限されている場合でも他にできることがあります。それをやっておくことで復帰がスムーズになる場合もありますので、まずは専門家にご相談ください。症状は「結果」です。「原因」を解決しないと同じ結果が訪れます。原因へのアプローチは運動が制限されている場合でも行うことができます。当院ではそれができますので、ぜひご相談を。