【症例報告】野球のバッティング時の腰痛

宇都宮市JR岡本駅近くで根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。症状の緩和はもちろん、可動域向上・強化・動作改善により「症状が出る前より強い身体」を作ることを目指します。

本日は野球少年のバッティング時の腰痛についてのご報告を。

まずはじめに、高校球児ともなると単純に練習量が半端ではありません。

「半端ではない練習量が原因です」と言ってしまえばそれまでですが、同じ練習量をこなしていても同じ場所に痛みが出るとは限りません。A君は腰が痛いけどB君は別に痛くない、みたいに。

そう考えると、ここでも何らかの「動作」が関与していると考えることができます。

今回のケースでは右打ちの選手であったのですが、患部から近いところの問題では左股関節、遠いところの問題としては左右の足関節(足首)の問題がありました。

16歳 高校球児 右投げ右打ち 内野手

・既往歴としては右ひじの手術歴あり(いわゆる野球肘で)。

・胸椎、腰椎での回旋は良好。左回旋時に左骨盤の回旋が弱く、胸腰椎での代償がみられる。

・フルスクワット(お尻がかかとに付くくらいまで深くスクワットすること)ができない。

当院での見立て

腰の直接的な痛みの原因は単純な過度の繰り返しの負荷によるもの+左股関節の内旋可動域の問題(臀筋の過緊張も含む)から来ているもので、その他にバッティング時だけでなく守備での捕球動作時(特にゴロ)の足関節の可動域が悪いために良い重心位置で捕球できず、その結果送球へのスムーズな動作の移行ができずに無駄に臀部の緊張を誘発していると予想できる(捕球から送球への動作の移行がうまくいっていない状態)。

こういうケースでは単純に左股関節の緊張を取って可動域を出してあげれば腰の代償によって増えている仕事量が減るので今ある痛みは改善しますが、野球やゴルフ等どうやっても腰を酷使する状況の中でそれ以外の要因で無駄に腰に負担をかけないように対処することがより良い練習を積めることに繋がります。

施術アプローチ

まずは股関節を中心とした可動域を改善するためマッサージや関節のモビリゼーション、鍼等を使い関連部位のリリースをおこないました。この時点で腰部の痛みは引いていましたが、今回は足関節の可動に関しても問題があったので、その対処もさせていただきました。足関節の可動域を出していき、足部内在筋の活性化を促し足部の安定性を出していきました。

その結果、現在はフルスクワットまでは可能となりました。今後の課題はオーバーヘッドでのフルスクワット(万歳をした状態でのスクワット)が出来るまで動作を落とし込んでいければと思います。

この選手は既往歴として肘の手術も経験されています。おそらくその当時から捕球から送球への移行動作に問題があったのではないかと思います。

こういった以前ケガした情報があると施術すべき項目が患部以外にも考えられますので、既往歴の情報は大切で当院でも重要視しています。

痛みの解消はもちろん、考えられる故障のリスクに対処していくのも当院の施術の特徴です。

まずは良い練習を出来る体の状態に整えることもパフォーマンスアップには必要な条件です。