野球のランニングトレーニング

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可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供する鍼灸接骨院トレスです。

例年通りだとゴールデンウィークあたりで高校野球は春季大会が終了し、いよいよ選手権予選を残すのみとなります。

私自身も元球児で、当時の練習などを思い返すことがあります。

今思えば何の根拠もないことをたくさんやっていたな、と思い出されます。

今回は、夏の大会に向けて球児たちのコンディショニング、とくにピッチャーが取り組む練習でのランニングについてご紹介します。

とりあえず走っておけば良いのは、私の世代で終了です。

というか、終わりにしなければなりません。

練習試合から逆算する

高校野球ならほとんどの場合、土日は練習試合になるかと思います。

ランニングトレーニングをするなら、その辺を考慮してメニューを組んだ方が間違えありません。

なんとなく長距離走だけやる、みたいなコンディショニング方法は避けるべきです。

その日その日で取り組むメニューにどんな目的があるのか明確にしましょう。

私が高校生の時は、土日試合、月曜日が個人練習、火〜金曜が全体練習でしたので、そこをベースに考えてみたいと思います。

中枢神経系の回復には48時間を要する

最大出力の運動をした場合、中枢神経系が回復するには48時間必要と言われています。

日曜日に登板したなら月曜火曜のランニングは負荷をかけず回復をメインに考えます。

【月曜日】

心拍数は個人差があるので一概には言えませんが、目安として130〜140bpn程度に抑えてゆっくりランニングします。

走りながら鼻歌を歌えるペースのランニングを30分以内。

【火曜日】

基本的には月曜日と同じか、体調がよければラダーやミニハードルを使ってアジリティ(敏捷性)のメニューをしても良いかも。

【水曜日】

心肺機能を意識してインターバル走。

最大心拍数の8割くらいでポール間走を10本くらい。または20秒走って10秒休むを10本くらい。結構キツイです。

【木曜日】

80メートルくらいの短距離の軽いテンポ走。流し程度のダッシュを10本くらい。

水曜日のランニングがきついから、次の日の木曜は軽めの方が良い。

【金曜日】

塁間走の全力ダッシュ。10本以内。

中枢神経系への刺激が目的。

筋肉はゴムと一緒で適度に伸ばされると縮んだ時に強い力を発揮する(stretch shortenning cycleというやつ)ので、前日に刺激を入れておきたい。

こんな感じで目的意識を持ったメニューを組んでもらえると良いかと思います。

ダラダラ走るだけでは故障のリスクになる

長距離走は短距離走に比べて関節の大きな可動域を必要としません。

長距離走ばかりすることで股関節の屈曲を担う筋肉や外旋を担う筋肉が固くなります。

そうなることで、股関節を伸展しにくくなったり、内旋しにくくなったりしてバランスが悪くなります。

このリスクを解消する意味でもダラダラ長距離走ばかりしてもいけません。

時にはダッシュだけでなく、股関節を大きく動かす自転車やエアロバイクを取り入れるのも効果的です。

クロストレーニングが良い理由がこの辺にもあります。

少し前に野球における『走り込み』がいろいろ話題になりましたが、指導者の方に知っておいて欲しいのは、長距離ばかり走ることは根拠はなくもはや罰ゲームです。

私が高校生の頃は毎日20キロ近く走っていました。そのほとんんどが長距離走で。

特に監督コーチに命じられた訳ではありませんが、走っておけば球が速くなると思っていました。

そんなことばかりに時間をかけていたので、結局は伸び悩んでしまったのかもしれません。

もちろん、きちんと根拠のあるトレーニングを積んでいればパフォーマンスも上がりますし、故障のリスクも下がります。

チーム競技はなかなか個人でどうこうするのは難しいところですが、今の子達にはきちんとしたコンディショニング方法を知っておいて欲しいところです。