鍼灸接骨院トレスのブログ
施術について , 膝痛
2022年09月2日
宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
今回は『膝の裏の痛み』。
中年女性で『膝の裏が突っ張ってしゃがみにくい』とか、『深く曲げると膝の裏に何か挟まっている感じがする』という訴えがある場合にベーカー嚢腫を疑います。
中年女性に限らず、スポーツなどで負荷がかかり続けたときに同じ症状が出る場合がありますので、膝裏の違和感がある方の参考になれば幸いです。
膝の裏で何が起きている?
関節治療オンラインより引用
ベーカー嚢腫は画像の通り、膝裏が膨らんで違和感や痛みが出る症状です。
関節の周りには『滑液包』という関節の潤滑油を出してくれる袋があるのですが、そこの関節包内の水分量が増えすぎてしまうと膨らんで症状を発生させます。
膨らみが大きい場合、目視でも十分に確認できるほどになります。あまり大きくない場合でも触診により反対の足の膝裏のふくらみとの違いを感じることが多いです。
膨らみを感じることはないけれど、膝を曲げたときに違和感を感じる場合には他の原因が考えられることも少なくないので、判断が微妙な場合には、一旦病院で画像検査してもらうことをお勧めします。
滑液包内の水分量が増えてしまう原因としては、何らかの負荷により関節内で炎症が起きたときなどは増えがちです。
その他、変形性膝関節症や関節リウマチなどが原因となることもあるので、既往症の確認は必須です。
また、ランナーさんでベーカー嚢腫を患っている方を見てきているので、スポーツでの使い過ぎでなってしまうケースも考えられます。
治療法
当院ではベーカー嚢腫の大きさによって対応を変えています。
かなり大きい場合、例えば卵くらいの大きさになっているものや、膝のお皿側にも水が溜まっているような場合には、病院で注射で水を抜いてもらうような処置をお勧めしています(穿刺と言います)。
自然と吸収出来れば越したことはありませんが、あまりにも多すぎる場合には吸収されるまでの時間がかかりすぎてしまうため、一旦抜いてもらって、その後の治療やリハビリをしっかりやっておく方が現実的と考えています。
それほど多くない場合には、物理療法、マッサージ、必要に応じて鍼治療を行います。
鍼治療に関しては、ベーカー嚢腫の部分に直接鍼を刺すのは感染症対策の観点から推奨されていないため、その周辺にベーカー嚢腫を囲むように打つことが多いです。
基本的に、はり師免許を持った先生が関節内に深く鍼を打つことはないはずなので、もし通院している治療院で関節に深く鍼を刺された場合には注意が必要です。不安な方は先生にどれくらい深く刺すのかまで聞いてから鍼治療を受けることをお勧めします(関節部でも、関節内に届かない程度の深さ・筋肉層までは刺すことはあります)。
変形性膝関節症を患っている方にはそちらの対応もおこない、スポーツのやりすぎでベーカー嚢腫になっている方にはモモ裏のハムストリングとくに半腱様筋と、ふくらはぎの筋肉とくに腓腹筋へのアプローチも入念に行ったりもします。
リハビリ、トレーニングは必要か?
中年女性の場合、変形性膝関節症を患っているケースが少なくないため、ベーカー嚢腫のためのリハビリ・トレーニングというよりも、変形性膝関節症に対するトレーニングを行います。
結局は膝に負担がかかることでベーカー嚢腫に繋がるケースが多いため、膝にかかる負担を如何に軽減できるかがポイントになってきます。
スポーツのやりすぎでベーカー嚢腫を患っている場合、繰り返しの刺激が多すぎるために起こることが多く、使うべきところがしっかり使えているのか、しっかり使えているけれどベーカー嚢腫になってしまっているのか、で対応が異なります。
前者の場合には、例えばベーカー嚢腫を抱えるランナーさんの場合、殿筋を使って地面を蹴ることができずに、膝を曲げる力で推進力を得ているケースが少なくないので、股関節主導のランニングができるようにトレーニングしていく必要があります。
後者の場合には、単純に運動の負荷量が多すぎることが考えられるため、休養が必要です。ただし休養中でも他の部位のトレーニングをすることは可能なので、取り組んでいる競技自体を中止するのではなく、患部以外のできる部分の強化をして復帰後のパフォーマンスにつなげていくのが良いでしょう。
その他、まとめ
・膝が曲げにくい、しゃがみにくい場合には膝裏が膨らんでいないかチェックしましょう。
・膝裏の膨らみを放っておくと徐々に大きくなって病院で注射で抜いてもらわなければならなくなります。膝裏の膨らみを感じる場合には、お近くの信頼できる治療院の先生に相談しましょう。
・膝に負担をかけている原因があれば、そちらの対応もしておかないと繰り返し溜まってしまうことも考えられますので、患部の治療だけでなく再発予防にも目を向けましょう。
気になることがありましたら、当院にご相談ください。
令和4年9月10月膝の症状でお悩みの方限定

《初回割引ご利用の際の注意点》
・根本改善治療をご希望の場合、当院で処方しているリハビリ・トレーニングは根本改善を目指しており、1回のセッションで終了することが不可能なため複数回通院していただくことが前提となります。予めご了承ください。
・初回の検査、施術、トレーニング終了後2回目の来院予約をお取りいただきます。
・根本改善のためのリハビリ、トレーニング内容はご自宅でも実践いただけるよう、希望者の方には動画配信をおこなっておりますのでご安心ください。
・問診、検査の結果によっては、医学的観点から治療院でなく、まずは病院での治療が必要な場合がございます。その際にはしっかりアドバイスさせていただきますので、まずはご相談ください。
・お問い合わせは、お電話または当HP内のお問い合わせフォームからご連絡ください。
サイクリング障害 , ランニング障害 , 施術について , 膝痛
2022年08月29日
宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
宇都宮は自転車の街。
当院はプロサイクルロードレースチームのコンディショニングを担当している関係もあり、一般のサイクリストの方の身体のトラブルに関する相談を受けることも少なくありません。
今回はサイクリングで膝を痛めた方の症例。
サイクリングはスポーツであり、トレーニングです。
「鍛える前に整える」「整えてから鍛える」
この言葉を知っておくとトラブルを少なく楽しめるはずです。
ペダルを踏み込むと痛い
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
主訴はトルクをかけてペダルを踏み込んだ時に膝蓋骨(お皿)の上下に痛みを感じるというもの。画像(左)の紫の部分に痛み。
ランナーズニーやジャンパーズニーと言われるものも似たような場所に痛みが出やすいです。
ロードバイク購入時にポジションのフィッティングは受けており、ダンシング(立ち漕ぎ)は苦手という訴えはあるものの、感想としてはポジションの問題ではなさそうな印象。
動作確認をしてみたところ、殿筋を使って踏み込む感覚が弱く、大腿四頭筋をメインにペダリングをしている可能性が考えられました。
殿筋を使ったペダリングができないのは、単純に殿筋に筋力が足りていないのか、それともフィードフォワード的な理由で殿筋を上手に使えていないのか等が考えられますが、今回は両方とも考えられました。
治療とトレーニング
治療としては緊張の強い大腿四頭筋への施術と患部への炎症を抑えるための物理療法をメインにおこないました。
柔軟性は十分な可動を有していたため、トレーニングは殿筋の強化と、殿筋を使うための体幹からの連動性に着目したトレーニングを処方しました。
患部の痛み自体は2回の治療である程度治まり、2時間半程度のサイクリングであれば痛みがなく終えられるところまで行きましたが、サイクリング後の大腿四頭筋自体の緊張がまだ見られたため、殿筋の稼働はまだ課題が残る状態でした。
トレーニングでも2回目のセッション終了後くらいから殿筋を使っている感じが出てきていると評価をいただき、以降、サイクリング後の筋肉疲労は殿筋に感じるようになってきました。
結果としてサイクリング後の大腿四頭筋の緊張も落ち着いてきて、痛みの再発が十分に抑えられるところまで来て、連日のサイクリングにも耐えられる状態に改善していきました。ケガする前よりも強い体に変わってきました。
今後はサイクリングの距離を伸ばしていって、目標としている大会に向けて徐々に負荷を上げていきたいところです。
ケガの種類によってはトレーニングは必須
突き指をしてしまったり、足首を捻ってしまった場合などのケガ(外傷)の場合は患部の治療だけで十分な場合もありますが、今回のケースのように繰り返しの刺激により痛みが出てきたり、使いすぎて痛みが出てしまったケガ(障害)の場合には治療だけでは十分でなく、しっかりリハビリやトレーニングまで行っておく必要があります。
繰り返しの刺激が起こってしまう理由の多くは、他の場所からの影響を受けていることが少なくないからです。
(今回の例では殿筋がさぼってしまっていて、大腿四頭筋が頑張りすぎて結果として腱の部分に負担がかかって炎症が起きている)
痛みは結果であって、原因は他のところにあることも知っておきたいところです。
治療は痛みの結果に対してのアプローチであって、原因へのアプローチはリハビリやトレーニングが必須です。
当院では、痛みに対してのアプローチだけでなく、痛みの原因へのアプローチ(リハビリやトレーニング)までをマンツーマンで一括して行っております。
病院や他の治療院では、その日その日で担当してくれる先生が違うケースも少なくないようですが、初診から完治までマンツーマンで対応させていただきますので、その辺の不満をお持ちの方も納得していただけると思います。
膝の調子が悪い日が続いているようでしたら、一度当院にご相談ください。
また、『まだ痛くないけど、整えてから鍛えたい』方ももちろん対応可能です。ぜひご相談ください。
令和4年9月&10月に膝の痛みを抱えている方限定

《初回割引ご利用の際の注意点》
・根本改善治療をご希望の場合、当院で処方しているリハビリ・トレーニングは根本改善を目指しており、1回のセッションで終了することが不可能なため複数回通院していただくことが前提となります。予めご了承ください。
・初回の検査、施術、トレーニング終了後2回目の来院予約をお取りいただきます。
・根本改善のためのリハビリ、トレーニング内容はご自宅でも実践いただけるよう、希望者の方には動画配信をおこなっておりますのでご安心ください。
・問診、検査の結果によっては、医学的観点から治療院でなく、まずは病院での治療が必要な場合がございます。その際にはしっかりアドバイスさせていただきますので、まずはご相談ください。
・お問い合わせは、お電話または当HP内のお問い合わせフォームからご連絡ください。
サイクリング障害 , ランニング障害 , 膝痛
2022年08月23日
宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
サイクリストやランナーさんが多く悩まされる膝の痛み。
今回は膝の痛みのなかでも外側の痛みを繰り返していた方の症例をご紹介。
痛めていたのは膝ですが、そこに至る経緯をしっかり捉えることが再発しないための課題になります。
「膝が痛いから膝を治療する」だけでは根本改善には至りません。
繰り返す膝の痛みにお悩みの方で、似た症状をお持ちの方の参考になれば幸いです。
膝外側の痛み「腸脛靭帯炎」とは?

【〇で囲った部分に痛みを発することが多い】
太ももの外側に骨盤と脛の骨を結ぶ靭帯があるのですが、それが腸脛靭帯です(図のITB)。
その腸脛靭帯が過度に緊張することで図の〇で囲った部分に負担がかかり炎症がおこるものが腸脛靭帯炎という症状です。
サイクリングやランニングに限らず、日常生活動作で階段を降りるときや歩行の着地時、膝の屈伸運動の際に膝の外側に痛みが出る場合には疑ってみる必要があります。
腸脛靭帯自体が炎症を起こしたり、腸脛靭帯の裏面とその奥にある大腿二頭筋という筋肉や外側広筋といった筋肉たちと癒着を起こして痛みを発することもあります。
基本的にはオーバーユースによることがほとんどで、痛みを発している膝以外の問題を探る必要があります。
また、腸脛靭帯自体は指圧などマッサージの刺激に反応は起こしにくいと言われており、マッサージガンなどの振動刺激が有効である、という文献もあります。なんでも腸脛靭帯部に対する指圧刺激は、腸脛靭帯より奥にある外側広筋への刺激になりやすいとのことです。
そういったことから、現在治療中の方は通院先でどのような治療を受けているかも、腸脛靭帯炎の炎症自体の改善に大きく関与しそうです。
お尻の筋肉の発達具合にも注意が必要
今回のケースでは初回の検査で患側のお尻の萎縮と筋力の低下が見られました。
この段階では膝を痛めてからお尻が萎縮したのか、お尻が委縮したから膝に負担がかかったのかは判断が付きません。
その他、問題が見つかった点と言えば足首の既往歴。
以前に強い内出血を伴う足首の捻挫を患ったことがあることで足部の状態を確認しました。
捻挫歴がある方の足はプロネーション(見た目だけで言うなら偏平足みないな状態を言います)が見られ、足部の機能が良くないことが分かります。
足部の状態と臀筋の関係性は重要
臀筋群が力を発する運動連鎖の過程で足部内在筋(足のインナーマッスルのようなもの)の役割は重要です。
今回のように足関節の捻挫歴がある場合、足部内在筋の働きが弱くなってしまっているケースが少なくありません。
その状態だと地面からの力を十分に伝えることができず、またお尻の力も発揮しにくいために間にある膝が頑張らなければならない状況になってしまうことも考えられます。
ということは、膝が痛くなる前からお尻を使うことができていなかったことも考えられます。
また、足部から関連する運動連鎖の中で、足部の機能低下があると体幹部の力の発揮もしにくくなると言われています。
そういったことから、膝の痛みの施術だけでなく、同時に足部の機能回復、臀筋の強化も行う必要がありました。
実際に膝への施術、関連部位の活性と強化をおこない、その後、歩行とランニングにおける地面への着地と蹴り出しに関する動作改善のトレーニングを行いました。
現在は、そこそこのペースで20キロ走程度はこなせるようになり、春のマラソンに向けて距離を増やしていく目標になっています。
使いすぎて痛くなったものは関連性を探る必要あり
今回のような使いすぎて起きた症状に対しては、患部の治療をおこなっても痛み自体は和らいだかもしれません。
ただ、関連する問題があるなら、そちらを改善しておかないと再発のリスクを取り除くことはできません。
休んでいったん痛みが引いても、運動を再開した時にまた痛みが出るようでしたら治療だけでは十分ではないということです。
また、自身に痛めたこと以外にも問題点が見つかれば、以降の生活やスポーツで気を付けることもセルフケアで根拠のある対策をすることもできます。
当院は、そこまでして本当の「根本改善」になると考えています。
一度治ったところがまた痛み出した、繰り返し同じところが痛くなる…などの症状でお悩みでしたら、一度ご相談ください。
2018.1.25投稿
2022.8.23リライト