鍼灸接骨院トレスのブログ

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膝の痛み【変形性膝関節症】

トレーニング , 施術について , 症例報告 , 膝痛
2022年08月8日

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

今回は変形性膝関節症。

よく目にする症状かと思います。

当院での経験則からの内容になりますが、何か参考になれば幸いです。

どんなことが起こってるの?

変形性膝関節症は皆さんが良く知っている「軟骨がすり減る」ことで起こる症状です。

酷くなると骨からトゲ(骨棘といいます)ができてしまい、そこがこすれることで強い痛みを発します。

筋力低下、加齢、体重増加などがあることで起きやすくなります。とくにこの3つが揃ってしまうと、かなりリスクが上がります。

また、変形性膝関節症が起こる前に「膝に水が溜まる」ということが起こることも少なくありません。

水が溜まるのはどういうことかイメージしやすく言うのなら、火事が起きたときには消防車から消火剤入りの水をかけると思いますが、膝に炎症(火事)が起きたときにも水(消火剤入りの水)をかけるようなことが起こります。

膝に溜まる水は炎症や損傷を治そうとする成分(火事で言えば消火剤)でもあるので、意外や悪い物ではありません。が、多く溜まりすぎた場合にはひざを曲げにくくなったり、突っ張ってしまったりして不快です。

膝に溜まった水は少量であれば体に吸収させるような治療が可能ですが、多すぎる場合には当院ではまず整形外科に行ってもらい「水を抜く」よう勧めることがほとんどです(多い時はヤクルト1本分くらい抜くこともあるようです)。

整形外科の先生によって対応は違いますが、栃木の先生方の治療方法を見ていると、1回抜いたら当面経過観察する先生と、1週おきに連続して何度も抜く先生もいらっしゃるようです。

エビデンスがあることではないのですが、毎週のように頻繁に抜いている患者さんの経過はあまり良くないような印象を受けます。

また、頻繁に水が溜まる状態があると変形の進行が早いような印象も持っています。

しっかりリハビリやトレーニングも行い筋力をつけて、「水が溜まりにくい状態」を作ることも大切です。

変形が進みすぎると人工関節置換術など手術が必要になることも考えられますので、早目に対処したいところです。

中年女性に多い?

閉経後の女性はホルモンの関係などもあり、骨や関節に問題を抱えやすくなります。

また、先に述べたような筋力低下や体重増加が見られやすいのも、このタイミングの女性に特徴的であったりします。

体を動かす機会が減ったり、代謝が落ちることでエネルギーを消費しにくくなるためだと想像できます。

対策としては代謝を上げるために筋肉量を増やすことが理想的です。

ポジティブに言えば筋肉増やせば代謝が上がって太りにくくなる、食べてもオッケー、と言い換えることもできます。

糖質制限して、好きなものを我慢して、などと考えるよりもシンプルに「筋トレしよう」と思ってもらえればよろしいかと思います。

また、膝の怪我の既往がある場合にも注意が必要です。

以前にスポーツなどで半月板や靱帯を損傷したことがある、などです。

とくに手術歴があるような方で、術後のリハビリをガッチリやってこなかった方の将来は不安です。

そのような既往歴がある方も、症状が出てくる前にしっかり筋力強化に取り組んで、膝に負担がかかりにくい脚を作っておくことをお勧めします。

対策

変形性膝関節症の対策は治療だけでなく、減量と筋力強化が必須です。

よくCMで目にするサプリメントに関して一言言うなら「それが効くなら病院で出してるでしょ?」です。

なので、治療を受けながら減量と筋力強化を頑張りましょう。

筋力強化については太ももの筋肉と股関節周りの強化が効果的です。強化の方法はご相談いただければしっかり指導させていただきます。

ちなみに、病院で「たくさん歩いて」を言われ1時間も2時間も散歩している方がいらっしゃいますが、ウォーキングでは始めのうちは筋力がついてくるかもしれませんが、歩くことに慣れてくるところからは筋力強化にはなってきません(持久力強化にはなりますが)。

歩くだけでは筋力を増やしていくための負荷が足りないからです。

筋力をつけるためには「過負荷の原則」というものがあります。徐々に負荷を上げていくということです。

そのためには筋トレが必要になってきます。

強化のためのトレーニングも根本改善のためには必要で、当院では治療だけでなく筋力強化に関しても対応できますので、まずは当院にご相談ください。

 

 

【2022保存版】筋肉痛を掘り下げる

トレーニング , ブログ
2022年08月5日

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

今回は「筋肉痛」についてエビデンスベースで掘り下げていきたいと思います。

2022年夏の時点での最新の知見になると思いますので参考になれば幸いです。
(新しい文献や論文が発表された場合には別なことになると思いますので、あくまでも2022年夏時点での見解であることご了承ください)

結論:マッサージが良いぞー。

そもそも筋肉痛とは?

正式名称は「運動誘発性筋損傷:EIMD」と呼ばれ、一般的に時間が経ってから出てくる筋肉痛を「遅発性筋肉痛:DOMS」と言い、皆さんが頑張って体を動かした次の日あたりから感じる運動時や圧迫時の体の痛みがそれです。

以前は、筋肉の損傷だったり、乳酸が影響しているなどの説が言われていましたが、近年では神経の圧迫によるものであったり、神経成長因子と呼ばれるものが関与している可能性がある、と言われています。

私も学生時代に筋肉の微細損傷などと教わった記憶がありますが、最近の研究結果によると、筋繊維の損傷に関わるパラメーターが出ないのに筋肉痛が発生していることが示唆されているため、損傷とは別の原因があるそうです。

発生メカニズムに関しては、専門家以外の方が読むと眠くなると思いますのでここでは割愛します。

何すると筋肉痛になりやすい?

筋肉痛になりやすい運動・やり方というものが存在します。

まずはエキセントリック収縮運動と呼ばれる、筋力を発揮しながら筋肉が引き伸ばされる運動は筋肉痛になりやすいと言われています。
(例:手で持った重い荷物をゆっくり下ろすときに上腕二頭筋(力こぶの筋肉)にかかっている収縮など)

上記の例の逆で、荷物を持ち上げるようなコンセントリック収縮運動の方が筋肉痛が起きにくいと言われています。体感的に強度や回数、スピードによってこちらの運動様式でも筋肉痛は起きるはずですが、エキセントリックに比べると起きにくいようです。

また、高強度の運動ほど筋肉痛になりやすく、スピードが速い運動ほど筋肉痛になりやすく、広い可動域でやる運動ほど筋肉痛になりやすいとの結果が出ています。イメージしやすい運動としては、深くまでしゃがんで行う高強度のスクワットジャンプなどがそれに当たります。

その他、下半身より上半身の方が筋肉痛になりやすい、若年者より高齢者の方が筋肉痛になりやすい、などと言われています。
(ちなみに、年取ったから筋肉痛が2日後に来る、という都市伝説に対する研究結果は現時点では無いようです)

筋肉痛が起きてしまったらどうする?

筋肉痛が起きてしまってからやるケアとしていろいろイメージできるかと思いますが、結論から言うと「マッサージが最高、ストレッチはしない方が良い」です。

筋肉痛に対して、マッサージはどの理学療法的アプローチよりも有効な手段であると報告されています(Guo,Jら2017)。また、マッサージの方法は指圧でもオイルで流すようなマッサージでもどのようなやり方のマッサージでも効果があるとされています。

ストレッチに関しては、筋肉痛に対して効果がない(Torres.Rら2012)だけでなく、強度の高いストレッチを行った場合には筋肉痛が発症することが報告されています(Smith,Lら1993)。

その他、アイスバスと言われる11~15度の冷水に11~15分浸かる方法やキネシオテーピング(CW型)は効果があると言われています。

個人的に意外だったのが、欧州の自転車界で流行っていたクライオセラピーと、アクティブリカバリーと言われる、高強度の運動後に心拍数100~120bpm/minくらいの低強度の運動をして回復を促す方法は筋肉痛に対しては効果が薄いという点でした。ただ、これは筋肉痛に対してのことであるので、その他の回復のためのリカバリーにとっては有効であると考えています。

スポーツ選手であれば、高強度の運動後はアイスバスに入ってからマッサージを受けるのがベストですが、一般の方だとそこまでは難しいかもしれませんので、高強度の運動をする日にマッサージの予約を入れておいて、頑張った後にマッサージを受けるのが現時点では一番の筋肉痛緩和と対策になります(お近くの「あん摩マッサージ指圧師免許」を持った先生にマッサージを依頼しましょう)。

筋肉痛がある場合でも運動自体はしても大丈夫ですが、運動のパフォーマンスとしては必ずと言っていいほど低下しますので、対策と緩和はしておきたいところです。

筋肉痛になったら摂っておきたい栄養は?

・クレアチン
→クレアチンと言えば主に筋力やパワー向上に有効な栄養素とされていますが、運動直後の急性の炎症反応にも効果があると言われています。また、持久系運動後のグリコーゲンの補充を促進する作用もあるようです(運動後の回復を促すことができる)。肉や魚またはサプリメントで摂取しましょう。

・ポリフェノール
→筋肉痛の急性期に摂取すると運動後の筋力低下を抑えることができると言われています。果物、お茶、コーヒーなどに多く含まれているようです。

・β-アラニン、ヒスチジンを含む食材
→β-アラニンとヒスチジンが結合してカルノシンという成分が作られ、カルノシンが断続的な無酸素運動に耐えるために働いてくれると言われています。また、抗酸化作用もあると言われています。β-アラニンはサプリで、ヒスチジンは魚から摂取しましょう。

・その他ビタミンD、クルクミンなど

まとめ

対策をしていても運動やトレーニング内容によって筋肉痛は起こるものです。とくに始めてやるトレーニングや負荷になれていない状態では起こりやすいですが、その負荷に慣れてくると起きにくくなってきます(繰り返し効果:RBEと言います)。

起きたときの対処としてはマッサージを受けて、必要な栄養素を補給して回復に努めることが大切です(ストレッチは非推奨)。

筋肉痛があっても運動を中止する必要はありませんが、どうしても運動のパフォーマンスとしては下がってしまいますので、早く回復させて、また質の良い運動やトレーニングを行えるように早く回復させるよう努力しましょう。

また、試合などがある場合には筋肉痛がある状態で試合に臨まなくても済むように、トレーニング計画を立ててくれるトレーニング指導者に依頼しましょう。

 

 

ダイエット~健康的な減量とは~

トレーニング , 症例報告
2022年07月5日

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

今回は減量について実体験も含め。

筋肉量の増加とともに、体脂肪の減少は様々な健康被害から守ってくれる事実がありますので、参考になれば幸いです。

私の減量理由

今年も6月の5000mupのサイクルイベント・ピークス参戦のため、減量をおこないました。

とにかく獲得標高を稼ぐ大会。とにかく上り坂しかない大会。

上りと言えば軽いが正義。

自転車パーツ価格高騰&部品不足により自転車を軽くするのはお金がかかるので、自分の体を1gでも軽くしていこうという目的。自転車乗りならわかってくれるはず。

ということで、大会前の目標は64㎏台で体脂肪率は経験則から12%台と予想。

結果は63キロ台。体脂肪率13%前後に落ち着き、完走率60%の大会でも余力ある状態で走りきってきました。

70㎏超からスタートし、1か月で4㎏減ってしまった(予定より早く落ちすぎてしまった)ので、若干のミステイクはありますが、概ね順調ということで、これまでやっていたことをシェアしたいと思います。

食事制限は食べ物を変えただけ

3食しっかり食べてます。食事を抜くことはありません。アイスも食べます。お酒も飲みます。多くはありませんが。

糖質制限もしていません。糖質の吸収様式だけ気に掛けて摂取していました。

運動は減量前から、40分~55分の室内ローラー週3回、3~4時間の実走週1回、40分~50分のランニング週1回、ウエイトトレーニングは仕事の空き時間で、のペースでこれらは一切変えていません。なので、消費カロリーは減量前も減量中も大きく変わることはありません。

変えたことと言えば、朝晩のご飯をオートミールに変え、たまに飲むビールをレモンサワーに変えたくらい。風呂上りのアイスも毎日ではありませんが食べてます。なんなら食べ物は変えましたがお腹いっぱい食べてました。

【1日の食事例】

朝:プロテインにオートミール30g・ブルーベリー・生クルミ・バナナを突っ込んだもの&ゆで卵

昼:冷凍食品のから揚げ、冷ごはん約150g、ブロッコリー、トマト、ゆで卵、みそ汁

夜:オートミール30~40g(スープor納豆orヨーグルトで)、その日その日で作ってもらったおかず

だいたいこんな感じの食事を毎日続けました。毎日から揚げ食べてますし、週1回の実走日の昼は好きなもの食べてます。ラーメンもたまに食べてます。

基礎代謝量の個人差があるので同じようにやっても減量するかは未知数ですが、41歳男性、週4日の運動で各500~700㎉の消費、週1回実走日に2000㎉、+αウエイトトレーニングでの消費があってこれくらいの結果です。

減量ペースは1か月で3㎏以内に抑えたかったので、摂取カロリーはもう少しあっても良いくらいだったかもしれません。

1日のカロリー収支は-500㎉以内に抑えたい

脂肪1gは7㎉。

1㎏の体脂肪を減らすには、7,000㎉消費することが一般的な目安となります。

ただし、早く7,000㎉消費しようとすると良くないことも起こりやすいので、なるべくゆっくり減量していくことが必要です。

参考https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34623696/

上記添付は、ざっくり言うと1日のカロリー収支は-500㎉以内に抑えておかないと筋肉付きませんよ、筋肉まで痩せちゃうかもよ、みたいな内容。スポーツのために減量しているならなおさら筋肉量は維持しながら減らしていきたいところ。

そのことから7,000㎉(体脂肪1㎏減らすこと)を消費するのに、目標としては14日以上かけたいです。

なので、1か月の体重減少は3㎏以内に抑えておくのが健康的な減量だと個人的には思っています。

余談ですが、SNSなどで1日で体重3㎏落ちました~、みたいなのはほとんど水分が減っただけですのであしからず。

減量マジックはない。理詰めでやればいいだけ。

減量やダイエットに関しては知識と気持ちがあれば誰でもできることだと思いますが、ウエイトトレーニングに関しては知識だけでは不十分で、フォームを正しく行ったりテクニックも必要になってくるため、こちらは専門の指導者のもと取り組んでもらうのがベストだと考えています。

また、ダイエットする際も運動を併用してもらうのが理想的です。トレーニング指導者の下でトレーニングをして筋肉量を増やしながら。

減量についても資格を持ったトレーニング指導者であれば基本的なエビデンスベースの知識は有していると思われますので、どうせお金を払ってダイエットするならトレーニング指導者に依頼するのが最良です。

減量だけならわざわざお金を払わずできます(やる気が湧かない人はお金を払って管理してもらう必要はあるかもしれませんが)。

SNSなどで流れてくる「これだけすれば痩せます」みたいなものでなく、エビデンスに基づいたやり方で減量していくのが健康的で安全なものだと思います。

減量マジックはありません。

摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やすこと、食べてもいいから食べるものに気を配ること。

時間をかけてじっくりやれば誰でも減量はできるはずです。

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