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可動域向上・動作改善・強化による根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
今回は、ランニングでの膝の痛みの中で、イレギュラーなケースに遭遇しましたので、その症例をご紹介。
ランニング中は大丈夫。ランニング後に膝がグラグラして痛い。
ランニング歴10年近くになる女性の方で、タイムにこだわるよりもファンラン的なランナーさん。
ここ2か月ぐらい、ランニングした後に床から立ち上がろうとするような動作で痛みを感じるようになり、ランニング中は痛いまではいかないが、違和感を感じ始め来院されました。
痛む場所はランニング障害にありがちな膝の下や外側といったものではなく、「奥の方が痛い」との訴え。
立ち上がろうとするときや、立っていて次の一歩目を出す時にグラグラ感とともに痛み・違和感が出る、とのこと。
膝が反ってしまっている
問診を進め、実際にみせていただくと、立った状態で患側の膝が反張膝(膝が後方に反ってしまう)になっていました。
この状態を見ると「グラグラした感じ」「次の一歩目が…」といった不安定性が見て取れます。
局所のバイオメカニカル的な問題は過伸展のみで、横方向・回旋方向への不安定性はなし。
SFMAなどのグローバルな検査をした中で分かったのが足関節と股関節のモビリティの問題。
問診で伺った内容と、検査の結果を照らし合わせると…
既往症の足首の捻挫が問題
半年ほど前にランニング中に軽度の足関節捻挫。
痛みはあったものの、くるぶし辺りが少し腫れている程度で、血腫もなく歩行可能であったため医療機関等は受診せず、自己判断で保存療法をしたとのこと。
グローバルテストのなかでも足関節の動きに違和感を感じていたので、もう少し詳しく足関節にバイオメカニカルテストをしたところ、健側とは明らかに違うモビリティーの問題が見つかりました。
股関節にも健側との差が見られましたが、主に筋緊張によるモビリティー低下に見え、おそらくは足関節の代償動作から股関節の運動を過度に要求されたことによる、一種のオーバーユースのための異常ではないかと推測。
当院の判断としては、足関節のモビリティー低下から波及した膝関節痛と判断しました。
動くべき関節・安定すべき関節
joint by jointという理論で考えると、足関節と股関節は動くべき関節であり、膝関節は安定すべき関節です。
ですが、今回のケースではその逆であり、足関節と股関節は動かなく、膝関節が余計に動かなければならない状況にありました。
これも代償動作によるものではありますので、「膝がグラグラするからモモの筋肉を鍛える」といった一般的な考えで治療を進めても根本的に改善が難しいことは想像できるかと思います。
もっと言えば、モモの筋肉を鍛えることで反張度合いが悪化してしまうことも考えられます(とくに膝を進展させる大腿四頭筋などの前モモの筋肉)。
そういったことを含めて、痛みばかりに注目してしまうと改善どころか症状が悪化してしまう場合もある、ということは知っておいた方が良いかもしれません。
最後に
今回のケースにおいて、当院の施術とコレクティブエクササイズでは、当初の段階ではほとんど膝へフォーカスすることはありませんでした。
まだ施術の途中段階で、反張膝自体は残存している状況ですが、足関節のモビリティーも回復傾向にあり、以前からの訴えである膝のグラグラ感は消失しています。
今後、足関節・股関節のモビリティーを確保しながらいよいよ膝周辺も含めた強化段階に入っていく予定です。
このように、症状を患った場合「どの時期に何をやって、どう改善させていくか」という一連の計画が必要です。
当院では予め患者さんに治療計画を提示して施術とトレーニングを提供しています。
どこに行っても治らないのは不安ですよね?
そんな方は一度当院にご相談ください。