宇都宮市JR岡本駅近くで根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。症状の緩和はもちろん、可動域向上・強化・動作改善により「症状が出る前より強い身体」を作ることを目指します。
本日は先月治癒に至った野球肩について。
40代男性 会社員 鹿沼市在住 草野球チームで主にピッチャー
・右投げ右打ち
・野球歴は学生時代から
・痛みの部位は肩後面。
・基本的に先発完投型。多い時で1試合120球投げることも。
・平日はジムで筋トレ。ボールを使うのは週末のみ。
・仕事は基本的にデスクワーク。PC作業が主。
・今まで肩肘は痛めたことがない。
・病院で治療を受けるものの投げる時の痛みが変わらず来院。
・喫煙者
気になる点
まず、呼吸器系の各種検査・SFMA・バイメカ等で全身の状態を確認しました。
ストレッチも意識的に行っているということで多分節屈曲(体を前屈させる)で爪先には届く。ただし、脊柱(背骨)と仙骨のアーチの描き方をみたときの曲線割合に問題あり(胸椎・腰椎・仙骨でどれくらいの角度が良いか?の目安があるので爪先に届けば良いってワケでもありません)。多分節伸展(身体を後ろに反らせる)した際の胸椎の後弯が少ない。多分節回旋(身体を捻じる)では骨盤の回旋はあるもののやはり胸椎部での回旋が少ない。
足関節、股関節の可動域などは問題なし。筋力も同年代の平均よりは強い印象。
腕の動きを単体でみたときの拳上(上に挙げる)や肩甲骨の動きは一見良いものの、代償動作(動かなくていいところが動いてしまう)が見られる。
喫煙者ということもあってか呼吸時の胸郭の動きが小さく背中の筋肉の緊張も強い。おそらく喫煙者に多い努力性呼吸タイプ。
当院での見立て
胸椎・胸郭での可動が悪いことによって投球時に十分な「上半身の反り」が出ずに肩関節を過度に外旋させるような投げ方になってしまっていた(仕事内容・喫煙者であることもひとつの要因)。
病院では痛みのある肩後面に電気やマッサージを受けてはいたものの、結局は動作不良が改善していないために投球時の痛みが引かなかったと予想できます。
施術アプローチ
胸椎・胸郭の動きを阻害している筋肉のリリースと動きを出すためのコレクティブエクササイズをおこない、胸椎・胸郭の動きが回復してから投球動作への落とし込みをおこないました。
また、仕事柄デスクワークで長時間の同一姿勢というリスクもあった為、対策となるトレーニング、エクササイズを処方しました。
現在は普通に投球できるようになり3週間に1回程度のメンテナンスに来られ、これから始まる大会シーズンに向けて練習試合を毎週末こなしているとのことです。
まとめ
随分前から「股関節や肩甲骨の可動域は良くしなければならない」と言われてきていましたので、その辺の知識をお持ちの一般の方も増えてきていると感じます。
今回のケースでは胸椎・胸郭に問題がありましたが、投球動作やそれに似た動作を行う競技(ラケット競技、バレーボール、水泳など)では、動きを良くするだけでなくもう少し踏み込んだ内容が必要になってきます。柔軟性があっても連動性が劣っていれば無駄な負担がかかってしまいます。
股関節や肩甲骨においても運動連鎖を考えた場合、単に動くだけでなくスタビリティ(安定性)要素も必要です。
そういったことも踏まえて、これからは「股関節や肩甲骨の動きを良くしておけばいいわけではない」とお考えいただければと思います。
では、その動作でどこを動かすべきか?
そのヒントがトレスにはありますので、一度ご相談ください。
(たばこ業界の方には申し訳ありませんが)喫煙していてもフィジカル的に良いことは何もありません。強いて良いことと言えば「他人より多めに税金を納めている」くらいのものです。個人的には今回のケースからも運動連鎖を考慮した場合、喫煙による胸郭の動きの問題も関係してくると考えています。そうなると健康どうこうもそうですが、ケガのリスクも考えないといけないため特に運動をしている方・結果が欲しい方の喫煙には反対です。