肩に原因のない痛みは胸郭出口症候群を疑ってみる

宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供する鍼灸接骨院トレスです。

野球やテニス、バレーボールや水泳など、腕を回すスポーツをしていて肩に異変を感じている方も少なくないと思います。

そして、もう何ヶ月も病院や治療院で肩の治療を受けているけど改善しない、という方も意外と多くいらっしゃいます。

特に画像診断ではっきりとした損傷部位が見つからなかった、『とりあえず肩の炎症』と言われたけど肩を休めてもあまり良くならない、という方はもしかしたらTOS(胸郭出口症候群)かもしれません。

そういった方のひとつの参考になればと思います。

腕を回すことによる肩への負担

肩の関節自体、非常に可動域を有する場所で、さまざまな方向に動かすことができます。

その一方で、よく動くが故に痛めやすい場所でもあります。

とくに肩より上に挙げるような動作をする場合、構造上どうしても負担がかかってしまうものです。

その負担を軽減させるために『肩甲骨をよく動くようにしましょう』などと言われることも多いですが、肩甲骨がよく動くし、肩の可動域も十分にあるのに痛みが引かない、というケースも少なくありません。

とくに病院などで画像診断を受けて『特に肩には問題がない』と言われたり、はっきり『ここが損傷している』と言われなかった場合には肩以外の部分もしっかり見ておく必要があります。

腕を回すことと胸郭出口症候群の関係性

胸郭出口症候群とは斜角筋隙や肋鎖間隙、小胸筋下間隙で肩や肩甲骨、腕にいく腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫を受けて、肩や肩甲骨や腕に痛みや痺れ、脱力感を生じる症状を言います。

【GeoFaceより】

最近では野球の投球時に肋鎖間隙が狭くなるため発生やすい、と分かってきました。

野球などのオーバーハンドのスポーツをしている方で以下に該当する場合には胸郭出口症候群のリスクも抱えているかもしれません。

・猫背であるorフラットバックである(背中の生理的湾曲の問題)

・走る時に肩が上がっている(肩をすくめて走る感じ)

・立った時につま先加重である

・首の固さや可動性に制限がある

・扁平足や外反母趾がある

・クランチ、ベンチプレス、プッシュアップが大好き

他にも評価することはありますが、ご自身で判断できそうな項目をざっと挙げるとこんな感じです。

胸郭出口症候群であれば肩のストレッチやマッサージは要らない

肩に問題がなく、胸郭出口症候群と分かった場合には肩のストレッチやマッサージをする必要性はほとんどありません。

というか、やらない方が良い場合もあります。

肩という関節は元々十分な可動域を持っていますので、必要な可動域を有しているのであれば、それ以上を求める必要はありません。

逆にストレッチやマッサージをし過ぎて『肩が緩くなってしまう』ということが問題視されています。

胸郭出口症候群による肩の痛みの治療なら首周りだけで十分で、患部以外に運動連鎖の問題があればそちらにアプローチすれば良いわけです。

胸郭出口症候群を予想せず、肩に問題があるとして接骨院など健康保険を使って治療する場合、通常であれば『肩』を治療することがほとんどだと思いますが、それは逆に肩を緩くし過ぎて治りを悪くしている場合もあります。

『病院ではっきり診断されなくて接骨院に通って肩をマッサージしてもらっているけど治らない』という場合には注意が必要です。

今やっているトレーニングも見直す

先に挙げた胸郭出口症候群になるリスクはトレーニングによって発生してしまうことも少なくありません。

トレーニングの内容や仕方によっては猫背を悪化させたり、つま先加重を助長させたり、首の筋肉を過度に緊張させてしまうこともあります。

『この肩の痛みは胸郭出口症候群によるものだ』とはっきり診断されたとしても、普段取り組んでいるトレーニングが悪ければ、治ることは難しいです。

その辺の情報は患者さん自身がしっかり頭に入れておきたいところですし、我々治療家がしっかり伝えないといけないと感じています。

数年前には分からなかったことが分かるようになってきているところもあります。

当院ではそういった情報をいち早く入手して患者さんにフィードバック出来るように努めています。

『もう数ヶ月、何年も症状に悩まされている』

『他院に通っているけどなかなか良くならない』

『今の治療に疑問がある』

という場合には一度、鍼灸接骨院トレスにご相談下さい