ストレッチ専門店

宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

最近、ストレッチ専門店が増えてきましたね。

新しいものには良い点も悪い点もあるのが常ですが、「身体のことは専門家に」と言いたい反面、「そうとも言い切れない」ということもあり、ここではあえて濁しておきたいと思います。

「専門家に」とも言い切れない

巷に増えてきたストレッチ専門店は「専門的な知識を持っている」とは言い切れませんが、治療院業界の現状を知っている身からして「我々、国家資格を持った専門家にお任せください」とも言い切れません。

私自身、鍼灸マッサージ師と柔道整復師の国家資格は持っていますが、「国家資格を持っているから専門的か?」と言われたら必ずしもそうとは思っていません。

国家試験レベルの知識であれば、理学療法士の方が知識は広いですし、トレーナーとしての知識で言えばアメリカのトレーナー資格ATCの方が学ぶカリキュラムが多いので、知識量は素晴らしいと感じています。

事実、セミナーでお世話になったりご一緒させていただくPTやATCの方から教わることはとても多いです。(決して、自分たちの資格を卑下しているわけではなく、「学ぶ姿勢」が大切だと言いたいわけです)

都内で多店舗展開している〇〇ストレッチは一度だけご一緒させていただいたことのある某ATCの方が関わっているので、スタッフまでその方の知識がいきわたっているかは別として、やろうとしているコンセプトはなんとなく感じます。

我々、治療資格を持った先生方にも資格取得後、一生懸命勉強する方もいますが、実際のところ逆の方も少なくありません。

正直な話、鍼灸マッサージや柔整の国家資格レベルの知識で現場で活躍しようとしたら、無理です(活躍しようとしたら、の話です)。言われたことを「作業」するなら可能かもしれませんが、「治療」をするとしたら無理です。

反論する先生もいると思いますが、ここは断言できます。

逆に国家資格を持っていなくても、解剖学・運動学的なストレッチの知識を我々が驚くほど異常に持っている店員さんもいるかもしれません。

そんな現状ですので、患者さんからすれば「専門家がいる」とされている治療院に始めていくのは「一種の博打」に近いものとなりますが、1か所行ってダメでも、ちゃんとしているところはちゃんとしていますのでご安心ください。※良い治療院の見極め方はありません(苦笑

ストレッチに頑張って通ったのに肩を痛めた野球少年

と、ここまで業界批判をしているつもりはありませんが、ある出来事がありました。

とある野球少年が肩周りの張りを取るためのコンディショニングとしてストレッチを受けに通っていたそうです。

とくに肩が痛いわけではなかったけど、ケアの重要性を認識していた意識の高い少年です。

ところが数か月通って、肩は軽くなってきたけど、今度は「肩の緩さ」を感じていたとのこと。

まだこの段階では痛みもなく投げていたけれど、徐々に痛みが出てきてストレッチに通っても痛みが取れない、と当院に来院されました。

結論から言うと肩の前方の弛緩性が見られて、投球時に肩関節の不安定性が起きて痛みが起こってしまっていると判断しました。

ここに至る背景を聞き取り、それに伴う肩の状態の変化を考慮した時に、あるストレッチの方法に問題があるように感じました。

動画中の1分15秒以降の動かし方は悪い例です。

微妙な違いなので分かりにくいところですが、1分15秒より前のやり方では体幹の回旋と肩甲骨の可動性に注目して行っていますが、悪い例では胸郭と肩甲骨の動きを入れずに回旋させていきました。

実際にやってみると肩の前方にストレスがかかるのが分かると思います。

上腕骨と肩甲骨の関節面の接地は重要です。

そこを逸脱すれば(今回のケースでは前方へのストレスになってしまった)関節を包む袋や靭帯に負荷がかかり、結果として「緩さ」に繋がることも考えられます。

手段よりも方法を

どういった目的を持ってストレッチを提供していたのかはわかりませんが、結果として悪い方向に進んでしまっていたのは間違いありません。

確かにストレッチは可動性を向上するための手段の一つです。

が、何も考えずに単に伸ばしていけば、本来必要のない可動性を得てしまうリスクもあります。

人間の身体はとても複雑です。

手軽にできそうなストレッチですが、きちんとした方法を知っている専門家にお願いしたいものです。

ちゃんとしたストレッチがご希望の方は一度当院にご相談ください。