【デスクワークが原因での腰痛】便秘との関係性は?

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

デスクワークや長距離運転など、長い時間座った状態で仕事をしなければならない方の多くが悩まされる腰痛。

当院にもデスクワークが原因で腰を悪くして、病院で「ヘルニアです」と診断を受けられた方も来院されています。

もちろん重いものを持ち上げる仕事をしている方も腰に大きな負担がかかっていることは間違いありませんが、長時間の同一姿勢による負荷もかなり厄介なものです。

今回は、デスクワークが主で他院で治療を受けていたものの改善が見られず来院された方のケースをご紹介します。

キーワードは「便秘」と「大腰筋」。

便秘がちで腰が痛いという方の参考になることを願います。

まずは大腰筋を知ろう

大腰筋は、第12胸椎~第4腰椎の椎体、第12肋骨~第5腰椎の肋骨突起からスタートして、腸骨筋と一緒に大腿骨の小転子に付着する筋肉です(合わせて腸腰筋とも言われます)。

大腰筋の分かりやすい役割として、いわゆる腿上げをするときに使われる筋肉です。

また、臀筋群と協調して股関節の安定性に関与することから、2足歩行をする人間にとってとても大切な筋肉であります。

股関節に関する大腰筋の動きとしてはこんなところですが、その他に腰椎に対する働きも持っています。

股関節が固定された状態では大腰筋の適度な収縮・活動は腰椎の安定性に関与します。

一方で大腰筋が縮こまったり、過緊張や伸長ストレスがかかった状態だと腰椎を過伸展方向に引っ張ってしまう恐れがあります(反り腰みたいになる状態)。

大腰筋はOKC,CKCともに人間の動作において重要な役割を担っている筋肉です。

大腸との関係性を知ろう

大腰筋と大腸の位置関係の画像で良い感じのものが見つからなかったので、アトラスの画像から想像してみてください。

仰向けの状態から考えると、まずは皆さんが腹筋だと理解している腹直筋であったり腹斜筋があって、その奥に小腸や大腸があるわけです。

そしてその奥にあるのが大腰筋。

腹部から大腰筋を直接触ることはできませんが、腹直筋の外縁から外側にたどって腰椎方向に圧迫しながら股関節方向に探っていくと、大腰筋の発達した方であれば筋肉の膨隆に触れることができます。(自転車選手の体を触らせてもらうとすごくわかりやすい)

このラインと大腸の下行結腸下部とS状結腸がリンクするところがあるので、この部分に便が詰まってしまうことで大腰筋を後方に圧迫することも考えられます。

そうすることで、大腰筋に伸長ストレスがかかって腰椎を前方に引っ張ってしまうこともあります。

腰椎を前方に引っ張る→反り腰・骨盤が後傾しにくい・脚が上がりにくい、といったことが起こりえます。

この状態がどんな問題を引き起こすか、スポーツ競技を例に挙げると、陸上のハードル走で左足をリードで飛ぶ選手であれば左の骨盤が後傾しにくいことで、ハードルを飛び越える際にハムストリングを過度に伸ばさないと脚が上がらない、という現象が起こりハムストリングの過活動~損傷といったリスクも抱えることになりかねません。

たかが便秘ですが、運動機能にも影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。

大腰筋の触察についていまいち理解しにくいようでしたら、トレスにお越しいただければ実際に触って、触ってもらって感じてもらうこともできますので気になる方はご相談ください。

デスクワークだし便秘だし腰痛だし。どうする?

デスクワークの場合は単純に大腰筋が縮まりやすい状況になるので、大腰筋の直接のマッサージやストレッチなどで対応する必要があります。

また、長時間の座った姿勢が大腰筋を緩ませる脳からのスイッチを切ってしまうので、ちょこちょこ立ち上がってその場で足踏みをするだけでも固有感覚が活性して有効だったりします(裸足で行うのがオススメ)。フロントランジのような体勢を取れば大腰筋を伸ばすことはできますが、仕事中は難しいべよ?という方はやってみてください。

便秘の方はとにかく運動して水分を摂りましょう。

よく便秘のたびに下剤を飲む方がいらっしゃいますが(うちのカミさんもそう笑)、結局は下剤で便を出すメカニズムは、大腸での水分の吸収を抑えて、その分の水分を便に回して柔らかくする作用と腸の蠕動運動を活性させる作用によるものですので、基本的には運動して腸に刺激を与えて、水分を摂って便を柔らかくすることと同じです。

その他、人間にはサーカディアンリズム(体内時計みたいなもの)があるので、ちゃんとご飯を食べて規則正しい生活をすればトイレに行くタイミングが毎日一緒になって勝手に出る(出したくなる)わけです。

それでも出ないのであれば腸のマッサージなどもしてみるのもひとつ。

便秘がちでデスクワークで腰痛持ちの方であれば、腸のマッサージ以前に大腰筋へアプローチしないといけないのですが、経験上、便秘の方にも腸のマッサージをするよりも大腰筋のマッサージをした方が良い結果が出る傾向です(こちらとしては副産物ですが)。

そんなことからも大腰筋へのアプローチは重要な部分ですので、セルフケアを含めまず大腰筋がどこにあって、どう触るのかを知っておくのも悪くないことではないでしょうか。

その他、今回は割愛しますが、大腰筋は横隔膜と連結しています。

横隔膜と言えば呼吸に関する筋肉です。

横隔膜がしっかり機能していれば大腰筋が活性されるだけでなく、腹圧が高まる(=腸も動く)ということで、当院では大腰筋や便秘症のアプローチでは必ず呼吸の介入をおこなっています。

そちらも興味がある方、もしくは他院で改善しない方は一度、鍼灸接骨院にご相談ください。