ジムでのスクワットで腰痛・膝痛~鍛える前に整えよう~ 【宇都宮市岡本駅東口 鍼灸接骨院トレス】

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

昨今の健康志向のためか、以前より運動習慣のある方が増えてきています。

巷では24時間営業のジムが乱立されたり、短期間でダイエットをさせるジムなども流行っているようです。

どんな理由があろうと、運動習慣が身に付くのは良いことですので大歓迎ですが、一般の方で身体の基本的な構造など勉強してジムに行く、という人はあまりいないのではないでしょうか。

もっとも、ジムに行けばインストラクターがいるので、その人たちに質問すれば解決することも少なくありませんが、こんなにもジムが乱立すると知識を持たない未経験のインストラクターの方も一定数存在してしまっているのも事実の様です。

そうなってくると、会員である消費者側もある程度の基礎知識は持った状態でジムに通わないと、せっかく身体を鍛えに行っているのにケガをしてしまう、なんてケースも考えられます。

と、いうことで今回は3大トレーニングのうちの一つ、【スクワット】で腰と膝を痛めて来院されたケースと、【治療家目線で考えるスクワットの仕方】についてご紹介します。

24時間営業のジムなどが流行る今の時代は、自身で知識を蓄えてトレーニングしなければならなくなってきます。

最近ジムに通い始めた、これからジムに通いたい、ジムに行っているけど痛めているという方の参考になれば幸いです。

トレーニングしに行ったのに腰やひざが痛くなる

事実、当院にもジムの運動中に痛くなって通われている方も一定数おられます。

ただし、ジムの運動が直接的な原因ではなく、もともとケガする要素を抱えていた状態で負荷がかかって痛めるケース(トレーニングによる負荷がきっかけになっただけ)が多いです。

トレーニング中に腰やひざを痛めたのだから、トレーニング自体に問題があったと思っている方も少なくありませんが、意外とそんなことはありません。

スクワットなど、トレーニング中のフォームが悪くて故障する、というケースもありますが、そもそもその「正しいとされるフォーム」を取ることができない身体の状態である事の方が多い印象です。

例えば、よく言われる「スクワットする時は膝が爪先より前に出ないように」といった話も、そこだけにフォーカスしてしまって無理な状況でスクワットしていって他の部分で代償して、といったケースも。

膝が爪先より前に出ないようにスクワットするためには、ヒップヒンジといわれる骨盤や股関節の動きができないといけないのですが、このポジションを取るためにはまずハムストリング(モモ裏)の柔軟性が不可欠です。

また、しゃがみこんでいく際にヒップヒンジができていたとしても胸郭(背骨・肋骨など)の可動性が十分にないと、上体がかなり前傾した状態、または前傾をしないように腰を反らす状態になりかねません。

そもそもヒップヒンジができなければ膝が爪先より前に出ないようにするのは難しく、しゃがみこんでいった際に膝に負担もかかってきてしまいますし、本来効かせたいお尻やハムストリングのトレーニングにもなりません。(以下の、「治療家的目線から考えるスクワット」を参照)

そういったケースが数多く存在している以上、トレーニングする前に身体を整える必要性が出てきます。

痩せたいのに運動できない

某ダイエット系のジムに通われている男性患者Aさん。

トレーナーの指導の下、ウエイトトレーニングと食事制限に励んでいるようでした。

数か月で数十万投資して痩せようとしているのですから、相当の覚悟を持った方だと察しがつきます。

ダイエット系ジムに通われて数か月経過した頃、スクワットをしていて腰に痛みが。

ウエイトの重さは60キロほど。60キロって結構重いですが、数か月トレーニングをしている方であれば妥当な負荷だと思います。

病院で検査を受け骨や関節には異常なしと診断され、少しの間トレーニングの負荷を緩めて様子を見るものの一考に治る気配がなく、その間に体重も増え始めてしまって、これはイカンと当院に来院されました。

まずはじめに当院で採用しているSFMAやDNS、PRIといった理論を使って検査をしてみた結果、胸郭(背骨と肋骨など)の可動性低下と大腰筋(腹筋の奥の方から股関節に繋がる筋肉)のトーン上昇による短縮が主な原因と判断。

大腰筋(アプリ「Atlas」より引用)

ハムストリングを含めた脚後面の柔軟性は高く、スクワット時のヒップヒンジもできており、「ジムで膝が前に出ないように注意されているから」と、そこに関する情報はお持ちの様でした。

Aさんは仕事上、デスクワークで何時間も座りっぱなしの生活を何十年も続けていることもあり、デスクワークの方でよくあるパターンのひとつでもありました。(PC作業中の姿勢不良や呼吸が浅くなる傾向、また、座りっぱなしで大腰筋が縮まった状態でロックしてしまう傾向)

また、最初は腰の痛みから始まったものの、ウエイトを持ってスクワットすると腰の痛みからヒップヒンジの体勢が取りにくくなって膝に負担がかかり、最近では膝の皿の下あたりも痛みが出てきている、という悪循環も起きていました。

そんな状況のため、「とりあえず今はちゃんとしたスクワットの体勢を取れる状態ではないから、そこはパスしましょう」とお話ししました。

その他、ジムでやっているメニューのシットアップ(腹筋運動)も、腹直筋や腹斜筋が緊張して胸骨や肋骨を引き下げて胸郭の可動性を出している段階の妨げになる恐れがあったので、胸郭の動きが出るまでは腹筋のトレーニングも別なアプローチをしてもらうようにお話ししました。

結果的に当院での施術と、胸郭の可動性を獲得するエクササイズを中心に関連するエクササイズを処方して自宅で繰り返し行っていただいて今ではスクワットの負荷も依然と同じところまで戻すことができているようでしたので、一安心。

「鍛える前に整える重要性」を私自身も再認識することができました。

治療家的目線から見るスクワット

3大トレーニングのひとつであるスクワット。

ポイントはいろいろありますが、動作改善を得意とする当院の目線から解説したいと思います。

①股関節のヒンジ動作と胸郭・胸椎等の関係性

上の写真のように棒を使うと位置関係がつかみやすいです。

背骨にあたるように棒を縦に担ぎましょう。

手の上下はやりやすい方で良いかと思います。ただし、棒を掴む位置は脊柱の生理的前弯が見られる首と腰のもっとも前弯しているであろう辺りがベスト。

その状態から棒に頭・背中・お尻(仙骨あたり)が接するようにします。

そのまま自分が思う正しいスクワットをして動画などに撮ってみましょう。

スクワットの最中に棒から頭・背中・お尻が離れず、椅子に座っているような体勢が取れればよいでしょう。

②胸郭・胸椎の可動性が低い場合

大袈裟にやっていますが、猫背など胸郭・胸椎の可動性が低いケースでは①のようなスクワット動作をすることは難しいです。

また、それに伴い、骨盤を後方に引けないことでいわゆる「爪先より膝が前に出る」状態に陥りやすかったりします。

腰への負担だけではなく、膝を痛めたり、本来効かせたいお尻やハムストリングのトレーニングにはなりにくい状態です。

③胸椎の可動性低下を腰椎の過度な前弯でカバーしている場合

私自身、胸郭や胸椎の可動性には自信があったので、このケースを再現するのがちょっと難しかったのですが、ようは背中が動かないから腰で代償している、といったことです。(猫背のまま腰を反らすようなイメージをしてください)

一見すると股関節のヒンジ動作は出来ていないこともなく、膝の位置も前方に出過ぎていることもないのですが、かなり腰の筋肉を緊張させて反らしています。

ウエイトを持たずにやってみても結構腰に来る感覚でしたので、ここに数10キロのバーベルを担いでいたとするとゾッとします。

先にご紹介した某ダイエットジムに通われているAさんのケースでは、まず胸郭・胸椎の可動性低下と大腰筋の過緊張によって③に近いフォームになって、それでも頑張っていたら流石に腰がきつくなってきたので②のように膝を前に出すような、かばっているフォームになってしまっていたのではないかと予測できます。

ハムストリングの柔軟性、胸郭・胸椎の柔軟性、股関節のヒンジ動作をおこなう運動制御などがきちんと働いていれば①の体勢は取れるはずで、これができない場合にはケガのリスクもありますので、鍛える前に整える必要があります。

鍛える前に整える重要性

ウエイトトレーニングやその他トレーニングなども先人たちが培ってきた理論があり、それらを理解して行うことが大切ですが、まずはトレーニングできる身体にする必要があります。

あなたは何のためにトレーニングするのか。

強い身体になりたい?痩せたい?健康になりたい?

さまざまな理由がありますが、どれも継続してトレーニングを行うことができなければ実現は不可能です。

トレーニングできない身体なのに負荷をかけ続けて故障し、治るまで休むことによって今までの積み重ねもリセットとまではいかなくても、逆戻りしてしまいます。

そうならないためにも、まずはご自身がトレーニングできる身体なのか?を把握しておくことも大切だと当院では考えます。

鍛える前に整える必要性が理解できた方は、一度、鍼灸接骨院トレスにご相談ください。