鍼灸接骨院トレスのブログ

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11月23日はセミナー参加

セミナー , ブログ , 施術について
2023年11月24日

宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分。

可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

11月23日の祝日休診日を利用して東京・新宿にて行われた「ストレッチリリースセミナー」に参加して来ました。

その雑感をツラツラと。

ちゃんとした「筋膜リリース」

「筋膜リリース」というワードは結局のところ単なる流行り言葉なので、今回受講したセミナー内容をこの言葉で表すのはいささか微妙なところですが、一般の方に馴染みのありそうな言い回しをすれば「ちゃんとした筋膜リリース」といったところでしょうか。

監修している先生も日本人では数少ない、海外で開かれる筋膜系の学会に出席されているような方なので、情報としては間違ってないと判断して出席するに至りました。

また、個人的に海外のトライアスリートが受けているART(active release techniques🄬)という手技アプローチに興味があり、それに似た施術方法と感じたことも参加理由のひとつとしてありました。(残念ながらARTは海外に行かないと受講できない…)

講師の先生によると今回受講したストレッチリリースはパッシブ(他動的ストレッチ:術者がストレッチの手助けをする)、ARTはアクティブ(自動的:患者さん自身で動かしながらストレッチをかける)の違いはあれど、考え方、出したい効果・方向性は一致するとのことで、俄然、前のめりで講義を受けて来たわけです。

筋膜は剥がれない

ネットで流行りの「筋膜はがし」や「肩甲骨はがし」。

そもそも我々治療家にとって、「筋膜」というワードの取り扱いに難しさがあるのですが、以前から言っている通り、結論として、それらは剥がれません。医学的な知見として。

今回の講義でも話がありましたが、今分かっている筋膜に関する正確な情報としては、いわゆる筋膜は剥がすのではなく、筋膜と周辺の粘性(ネバネバ度)を調整して滑走性(滑り易さ)を調整してあげるのが正解です。

滑走性を良くするために必要なものが、適切な刺激(運動や施術など)、栄養、休息の3つで、適切な刺激を加える方法のひとつが今回のストレッチリリースです。

通になりたい方は筋膜は剥がす、のではなく「滑りを良くする」、と覚えておきましょう。

もしあなたが筋肉等の不調で治療院に通院している・しようとして、筋膜リリースというものに興味があるならば、先生に「筋膜の滑りを良くして欲しいです」と伝えると、言葉は良くないですが、きっと舐められることはないはずで、それを理解できていない先生なら諦めて別の先生を探しましょう。

当院ではストレッチリリースを積極的に使用します

かねてよりARTのような自動運動によるリリース方法も行っていましたが、今回インプットしたストレッチリリースも積極的に取り入れていきます。

適度な圧刺激によるコンタクトをしながらストレッチするやり方になりますが、ストレッチリリースで行う圧刺激は強くありません(※伸ばした時に痛く感じる場合はあります)。

一説によると例え50Nmの圧刺激を加えても組織の変化は見られないと言われるように、強く押せば良いものではありません(←私が強揉みを否定する理由)。

それほど強くない圧刺激ですが、ストレッチリリース後の動かし易さを感じてもらえれば良いかと思います。

終わりに

今回のセミナーを受講するにあたり、前日にスイム45分(2,000m)、バイク1時間(30km)、ラン45分(10km)を行い、自身の身体をバキバキにして臨みました。

施術を受けに来る人で絶好調・健康な人は基本的にはいないわけで、何かしらの不調があるもの。

今回も施術実技系セミナーを受ける際の恒例行事となっている自分の身体を軽く壊して行くスタイルで臨みました笑。

擬似的に不調を起こした状態で実際にストレッチリリースを受けてみて、結果が良ければ患者さんに提供できるであろうとの考えから。

結果的に効果がありそうという判断に至ったため、当院の施術に採用します。

ストレッチリリースは採用しますが、根本改善を目指す場合は引き続き施術後のアスリハやトレーニングもやっていただきます。

そして痛める前・怪我する前より強い身体にして卒業してもらえれば最高です。

治療5割:運動5割が来年で10年目に突入する当院のスタイルです。

こちらも頑張って施術しますので、半分は患者さん自身で運動・トレーニングを頑張りましょう。

 

※12月2日&3日も別のセミナー参加のため休診です。

 

 

セミナーを受けてきました

セミナー , トレーニング , ブログ
2023年09月24日

宇都宮駅JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

9月23日の祝日休診日を利用してJATI東北支部主催のトレーニング指導に関するセミナーを受講してきました。

内容はトレーニングに関する科学的な知見とBIG3と言われるトレーニング(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)の精度向上について。

セミナー内容の詳細はここでは割愛しますが、受講した背景として、今年に入ってから「自称パーソナルトレーナー」の指導を受けて肩や腰を壊して来院される方が続いていたため、こちらとしてもそれらの事象を反面教師にして再度、勉強しておこうと思い参加しました。

結論:トレーニング指導の有資格者から指導を受けましょう

少し前に消費者庁からパーソナルトレーニングで体を壊したという相談が増えているという発表が話題になりましたが、日本ではトレーニング指導に関する資格は特に持っていなくてもジムの開設や指導ができてしまうのが現状です。

そのため、とくに専門的な知識を持っていなくてもマッチョなお兄さんお姉さんの経験則で指導できてしまいます。

SNSなどで「これがオススメ!」と同じことをやって体を痛くした方もいるのではないでしょうか?

残念ながら、それらの多くは指導者側の経験則が主で、科学的根拠や医学的な情報は含まれていません。

事実として、当院にもSNSで見たことをやって痛めてくる患者さんは定期的に来られます。

とくに「たった○○するだけで」や「○○秒○○するだけで」といった内容のものには注意しましょう。

資格を持っている=良い指導者、とは一概には言えませんが、一応として基礎的な知識を有しているという分け方として日本国内であればCSCSやJATI-ATI、最低でもNSCA-CPTといった資格を持っているかどうかは指導を受けようとする側の判断材料として持っておいて損はないと思います。

国家資格を持っているから筋トレを指導できるわけではない

もう1点。
残念ながら、我々のようないわゆる「コメディカル」と言われる医療系の国家資格(理学療法士・作業療法士・はりきゅう師・マッサージ師・柔道整復師など)を持った人間もいきなり筋トレの指導ができるわけではありません。

ところが昨今の業界の事情からか、とくに都市部ではジムを併設する治療院が増えてきました。

利用者側からすれば、何の疑いもなくトレーニング指導が受けられると思われるかもしれませんが、我々が勉強してきたことはあくまで「治療・施術」に関することで、国家資格を取得する過程で「トレーニング」に関する専門的なカリキュラムは受けてきていません。

ですので、リハビリ的なトレーニング(機能訓練やアスリハと言われたりします)は指導できても、ウエイトトレーニングなどの運動機能を向上させる指導は勉強してきていません。

このことは、私自身、国家資格を取った後にトレーニング指導の資格(JATI-ATI)を取って実感したことで、JATIの資格を取るためにゼロから勉強を始めたくらいの感覚があります。

また、私のような治療・施術とトレーニング指導を並行して行うタイプの指導者は、「トレーニング指導だけ」に特化した指導者に比べると学びに割ける時間も全く違うため、悔しいですが劣る部分も認めざるを得ません。

そういった観点から、トレーニング指導者が「0を10にす」としたら、私の立場は「マイナスを0に」そして「0からまずは1を作る」ところを目指しています。(怪我や痛めている状態を-10、痛みも何もない状態を0、運動パフォーマンスが高い状態を10とした場合)

そのためにはトレーニング指導の知識が必要と考え資格を取得する判断をしたということです。

最近流行りのボディーメイク系のトレーニングは?

マッチョになりたい=筋肉を肥大させる、と仮定するならそれほど難しいことはありません。

単純にたくさん筋トレして、たくさん栄養を摂って、たくさん寝れば筋肥大は起こります。

これは科学的にも立証されているので、頑張って毎日のようにジムに通って筋トレしていれば、やがてマッチョになります。

筋肥大しやすい重量も存在しますが、最近分かってきたことでは「軽い負荷でもたくさんやれば筋肥大は起こる」と。

思い切り雑に説明すると、100キロの重りを1回挙げるのと、10キロの重りを10回挙げるのは同じように筋肥大が起こる可能性がある、ということです。(細かく言うと違ってくる部分もありますが)

ですので、マッチョになるためには誰に指導を受けるよりも、自分に強い意志があれば現実になってくるというわけです。※ただし、筋力の向上が起こってから筋肥大が起こるので、時間はかかります。そこにも強い意志があれば乗り越えられるかと思いますが。

問題点としてはマシンの使い方が分からない方もいるということでしょうか?そこに関してはジムのスタッフに教えてもらえれば解決できる可能性はあります。
また、疲労やオーバートレーニングといった問題も出てくるかもしれませんので、それらの問題に対しては我々のようなスポーツ系に強い治療院に相談していただければ長くトレーニングを続けられるかもしれません。

もちろん、スポーツのパフォーマンスを上げたい場合には、これより複雑になってくるため専門家の指導は必要不可欠になってきますのでご注意を。

終わりに

今回はトレーニングに関する知見を論文の内容をベースに勉強することができました。

治療家がおこなう治療や施術に関しては、どうしてもエビデンスが多くないため、ある程度の根拠+自身の経験といったものに頼る部分が多いのが事実ですが、トレーニングに関しては研究が進歩している印象で1日で仙台往復と大変ハードでしたが有意義な1日でした。

11月、12月と別のセミナーが続くので、今後もレベルアップできるようにしていきたいと思います。

それにしても私の第2の故郷・仙台は相変わらず良い街でした。

 

 

持久系競技にはHIITも良いけどFrenchContrastトレーニングもオススメ

サイクリング障害 , トレーニング , ランニング障害
2023年01月16日

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

今回は持久系競技に取り組む方へのご提案。

フルタイムワーカーなど、競技練習やトレーニングに多くの時間を割けない方に私が最近推しているトレーニング方法をご紹介します。

少し前に話題になったトレーニング方法でしたが、良さを再確認できたのでシェアしたいと思います。

※あくまでも「これだけやっておけば良い」というトレーニングはありません。複合的にトレーニング戦略を立てる必要がありますので、その一例としてとらえてください。また、2023年1月現在の推しなので、時間が経てば別な方法をお勧めしているかもしれませんがその点ご理解の上、参考になれば幸いです。

持久系競技に取り組む方の理想形

パワーウエイトレシオが重要視されるように、「体重は軽いけどパワーがある」これが持久系競技者の理想形でしょう。

また、サイクリングではパワーが重要視される昨今、パワーを上げたいサイクリストは多いと思います。

サイクリングやランニングなど持久系競技では、体重が軽ければ軽い方が有利になることが多い(ここではド平坦系サイクリストは考慮していません)ですが、一般的に筋力は筋肉の太さ(横断面積)に左右されます。

筋肥大させることが筋力向上のために大切な要素になりますが、筋肥大するということは体重増加も比例して起こるため、これが持久系競技者がウエイトトレーニングを敬遠している理由の一つと思われます。

パワーがついても重くなってはパワーウエイトレシオ的には変化が少なくなってしまいますからね。

が、理論上、「筋肥大は最小にしつつ筋力向上を狙う」という負荷設定は存在しています。これが可能なら持久系競技者の理想に近づくかと思います。

ポイントは1RM(1回挙げることができるギリギリの重量の目安)の90%以上の負荷。

筋肥大させるのには1RMの80%の負荷が良いとされていますが、90%以上の負荷となると筋疲労が起こる前に神経系の疲労が起こり、筋肥大が起こるフェーズに入る前に挙上できなくなるため、筋肥大よりも筋力向上のトレーニングに向くと言われています。

これなら「筋肥大は最小にしつつ筋力向上が狙える」かもしれません。

当院では1RMを測定したうえで、補助があれば3回ギリギリ繰り返せる重量に設定しています。

また、最近のトレーニング界隈ではVBTと呼ばれる考え方が流行っており、速度・動作スピードを重視する傾向もみられてきました。

そういったことを考慮する場合、90%以上の負荷でトレーニングすれば、挙上スピードはおのずと遅くなってしまうため、高重量のウエイトトレーニングだけやれば良いということにもなりません。

そんな時にお勧めなのがフレンチコントラストトレーニング。

フレンチコントラストトレーニングのやり方の一例

HIITやタバタトレーニングは既に取り入れている方も少なくないと思いますので、今回は割愛します。

HIITとは違った意味でフレンチコントラストトレーニングも良いトレーニングです。

当院では持久系競技の方にトレーニングを処方することが多いので、下半身メニューの一例をご紹介します。

①1RM90%以上の重量でのスクワット3回

②1RM30~40%程度での重量を持ってのスクワットジャンプ4~5回

③自重でのスクワットジャンプ4~5回

④チューブなど補助道具を使ってのスクワットジャンプ4~5回

⑤休息4~5分

以上のメニューを4~5セット行います。

90%以上の高負荷を高い速度で動かすことは不可能なので、①で足りなかった速度の部分を②③④で補える可能性があります。

パワーは力×速度で求めることができます。

とにかく重い物を持ち上げるだけでなく、スピードにも着目する必要があります。

雑に説明するなら、100キロの物を時速1キロのスピードで挙げるのと、50キロの物を時速2キロのスピードで挙げるのは同じパワーを発揮していることになります。

自己流でウエイトトレーニングをやってきて「動きが遅くなった」「体が重くなった」気がしている方は、速度に対して考慮したトレーニングを行っていなかったことも考えられます。

そのような方は一度トレーニング指導者の下、トレーニングを行ってみてください。

トレーニングは指導者の下で行いましょう

1RMの測定に関しても、自分の感覚で行うよりも、指導者がいる環境の方がより正確に導き出せます。

「潰れた時のために補助してくれる人がいればもう少し重いのを上げられそうなんだけどな…」と思ったことのある方も少なくないかと思います。その点で考えてもトレーニング指導者の下、測定し、トレーニング指導を受けた方が良いトレーニングができます。

また、1RM90%以上という高重量を扱うことになるので、補助してくれる人がいた方が安全ですし、しっかり追い込みやすい環境も作れます。

また、フォームの乱れなどの確認や、回数・セット間休息の設定も自分の感覚だけでなく他者に評価してもらいながら行った方が良いトレーニングが行えるはずです。

時間のないフルタイムワーカーの方などは、トレーニング指導者を付けてトレーニングを行った方が効率的に競技力向上が見込めるでしょう。

ウエイトトレーニングに良い印象を持っていない持久系競技者の方の多くは、自己流でやっていた人が多いはずです。一度CSCSやJATI-ATI等といった資格を持ったトレーニング指導者を付けてトレーニングしてみてください。

きっとウエイトトレーニングに対する印象が変わるはずです。

最後に

今回紹介したフレンチコントラストトレーニングはフルタイムワーカーや時間のない方へ向けて提案させていただきました。

プロ選手や、トレーニングにたっぷり時間を割ける方であれば、この他にもいろいろなトレーニングを複合的に戦略的に行うべきでしょう。

私自身もそうですが、仕事をしているなら、限られた時間の中でトレーニングする際には「効率化」が大変重要になってきます。

ましてや、自転車競技やマラソンなどは、どうしても競技練習の時間が長くなってしまい、他のトレーニングに時間を割くことが難しくなりがちです。

そんな中、今回紹介したフレンチコントラストトレーニングを取り入れていたフルタイムワーカーの方が、先日行われた全日本シクロクロス(マスターズの部)で日本一という結果を出してくれました。いつの間にかスクワットの挙上重量もかなり向上していたり、本人の頑張りが実を結んだ嬉しい出来事でした。

これを読んだフルタイムワーカーの皆さんも効率よくケガの予防や競技力に繋がるトレーニングができることを願っています。

今回の内容がスポーツに打ち込むフルタイムワーカーの皆さんにとって少しでも参考になったなら幸いです。

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