サイクリング障害 , ランニング障害 , 施術について , 膝痛
2022年08月29日
宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
宇都宮は自転車の街。
当院はプロサイクルロードレースチームのコンディショニングを担当している関係もあり、一般のサイクリストの方の身体のトラブルに関する相談を受けることも少なくありません。
今回はサイクリングで膝を痛めた方の症例。
サイクリングはスポーツであり、トレーニングです。
「鍛える前に整える」「整えてから鍛える」
この言葉を知っておくとトラブルを少なく楽しめるはずです。
ペダルを踏み込むと痛い
ヒューマンアナトミーアトラスより引用
主訴はトルクをかけてペダルを踏み込んだ時に膝蓋骨(お皿)の上下に痛みを感じるというもの。画像(左)の紫の部分に痛み。
ランナーズニーやジャンパーズニーと言われるものも似たような場所に痛みが出やすいです。
ロードバイク購入時にポジションのフィッティングは受けており、ダンシング(立ち漕ぎ)は苦手という訴えはあるものの、感想としてはポジションの問題ではなさそうな印象。
動作確認をしてみたところ、殿筋を使って踏み込む感覚が弱く、大腿四頭筋をメインにペダリングをしている可能性が考えられました。
殿筋を使ったペダリングができないのは、単純に殿筋に筋力が足りていないのか、それともフィードフォワード的な理由で殿筋を上手に使えていないのか等が考えられますが、今回は両方とも考えられました。
治療とトレーニング
治療としては緊張の強い大腿四頭筋への施術と患部への炎症を抑えるための物理療法をメインにおこないました。
柔軟性は十分な可動を有していたため、トレーニングは殿筋の強化と、殿筋を使うための体幹からの連動性に着目したトレーニングを処方しました。
患部の痛み自体は2回の治療である程度治まり、2時間半程度のサイクリングであれば痛みがなく終えられるところまで行きましたが、サイクリング後の大腿四頭筋自体の緊張がまだ見られたため、殿筋の稼働はまだ課題が残る状態でした。
トレーニングでも2回目のセッション終了後くらいから殿筋を使っている感じが出てきていると評価をいただき、以降、サイクリング後の筋肉疲労は殿筋に感じるようになってきました。
結果としてサイクリング後の大腿四頭筋の緊張も落ち着いてきて、痛みの再発が十分に抑えられるところまで来て、連日のサイクリングにも耐えられる状態に改善していきました。ケガする前よりも強い体に変わってきました。
今後はサイクリングの距離を伸ばしていって、目標としている大会に向けて徐々に負荷を上げていきたいところです。
ケガの種類によってはトレーニングは必須
突き指をしてしまったり、足首を捻ってしまった場合などのケガ(外傷)の場合は患部の治療だけで十分な場合もありますが、今回のケースのように繰り返しの刺激により痛みが出てきたり、使いすぎて痛みが出てしまったケガ(障害)の場合には治療だけでは十分でなく、しっかりリハビリやトレーニングまで行っておく必要があります。
繰り返しの刺激が起こってしまう理由の多くは、他の場所からの影響を受けていることが少なくないからです。
(今回の例では殿筋がさぼってしまっていて、大腿四頭筋が頑張りすぎて結果として腱の部分に負担がかかって炎症が起きている)
痛みは結果であって、原因は他のところにあることも知っておきたいところです。
治療は痛みの結果に対してのアプローチであって、原因へのアプローチはリハビリやトレーニングが必須です。
当院では、痛みに対してのアプローチだけでなく、痛みの原因へのアプローチ(リハビリやトレーニング)までをマンツーマンで一括して行っております。
病院や他の治療院では、その日その日で担当してくれる先生が違うケースも少なくないようですが、初診から完治までマンツーマンで対応させていただきますので、その辺の不満をお持ちの方も納得していただけると思います。
膝の調子が悪い日が続いているようでしたら、一度当院にご相談ください。
また、『まだ痛くないけど、整えてから鍛えたい』方ももちろん対応可能です。ぜひご相談ください。
令和4年9月&10月に膝の痛みを抱えている方限定
《初回割引ご利用の際の注意点》
・根本改善治療をご希望の場合、当院で処方しているリハビリ・トレーニングは根本改善を目指しており、1回のセッションで終了することが不可能なため複数回通院していただくことが前提となります。予めご了承ください。
・初回の検査、施術、トレーニング終了後2回目の来院予約をお取りいただきます。
・根本改善のためのリハビリ、トレーニング内容はご自宅でも実践いただけるよう、希望者の方には動画配信をおこなっておりますのでご安心ください。
・問診、検査の結果によっては、医学的観点から治療院でなく、まずは病院での治療が必要な場合がございます。その際にはしっかりアドバイスさせていただきますので、まずはご相談ください。
・お問い合わせは、お電話または当HP内のお問い合わせフォームからご連絡ください。
サイクリング障害 , ランニング障害 , 膝痛
2022年08月23日
宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
サイクリストやランナーさんが多く悩まされる膝の痛み。
今回は膝の痛みのなかでも外側の痛みを繰り返していた方の症例をご紹介。
痛めていたのは膝ですが、そこに至る経緯をしっかり捉えることが再発しないための課題になります。
「膝が痛いから膝を治療する」だけでは根本改善には至りません。
繰り返す膝の痛みにお悩みの方で、似た症状をお持ちの方の参考になれば幸いです。
膝外側の痛み「腸脛靭帯炎」とは?
【〇で囲った部分に痛みを発することが多い】
太ももの外側に骨盤と脛の骨を結ぶ靭帯があるのですが、それが腸脛靭帯です(図のITB)。
その腸脛靭帯が過度に緊張することで図の〇で囲った部分に負担がかかり炎症がおこるものが腸脛靭帯炎という症状です。
サイクリングやランニングに限らず、日常生活動作で階段を降りるときや歩行の着地時、膝の屈伸運動の際に膝の外側に痛みが出る場合には疑ってみる必要があります。
腸脛靭帯自体が炎症を起こしたり、腸脛靭帯の裏面とその奥にある大腿二頭筋という筋肉や外側広筋といった筋肉たちと癒着を起こして痛みを発することもあります。
基本的にはオーバーユースによることがほとんどで、痛みを発している膝以外の問題を探る必要があります。
また、腸脛靭帯自体は指圧などマッサージの刺激に反応は起こしにくいと言われており、マッサージガンなどの振動刺激が有効である、という文献もあります。なんでも腸脛靭帯部に対する指圧刺激は、腸脛靭帯より奥にある外側広筋への刺激になりやすいとのことです。
そういったことから、現在治療中の方は通院先でどのような治療を受けているかも、腸脛靭帯炎の炎症自体の改善に大きく関与しそうです。
お尻の筋肉の発達具合にも注意が必要
今回のケースでは初回の検査で患側のお尻の萎縮と筋力の低下が見られました。
この段階では膝を痛めてからお尻が萎縮したのか、お尻が委縮したから膝に負担がかかったのかは判断が付きません。
その他、問題が見つかった点と言えば足首の既往歴。
以前に強い内出血を伴う足首の捻挫を患ったことがあることで足部の状態を確認しました。
捻挫歴がある方の足はプロネーション(見た目だけで言うなら偏平足みないな状態を言います)が見られ、足部の機能が良くないことが分かります。
足部の状態と臀筋の関係性は重要
臀筋群が力を発する運動連鎖の過程で足部内在筋(足のインナーマッスルのようなもの)の役割は重要です。
今回のように足関節の捻挫歴がある場合、足部内在筋の働きが弱くなってしまっているケースが少なくありません。
その状態だと地面からの力を十分に伝えることができず、またお尻の力も発揮しにくいために間にある膝が頑張らなければならない状況になってしまうことも考えられます。
ということは、膝が痛くなる前からお尻を使うことができていなかったことも考えられます。
また、足部から関連する運動連鎖の中で、足部の機能低下があると体幹部の力の発揮もしにくくなると言われています。
そういったことから、膝の痛みの施術だけでなく、同時に足部の機能回復、臀筋の強化も行う必要がありました。
実際に膝への施術、関連部位の活性と強化をおこない、その後、歩行とランニングにおける地面への着地と蹴り出しに関する動作改善のトレーニングを行いました。
現在は、そこそこのペースで20キロ走程度はこなせるようになり、春のマラソンに向けて距離を増やしていく目標になっています。
使いすぎて痛くなったものは関連性を探る必要あり
今回のような使いすぎて起きた症状に対しては、患部の治療をおこなっても痛み自体は和らいだかもしれません。
ただ、関連する問題があるなら、そちらを改善しておかないと再発のリスクを取り除くことはできません。
休んでいったん痛みが引いても、運動を再開した時にまた痛みが出るようでしたら治療だけでは十分ではないということです。
また、自身に痛めたこと以外にも問題点が見つかれば、以降の生活やスポーツで気を付けることもセルフケアで根拠のある対策をすることもできます。
当院は、そこまでして本当の「根本改善」になると考えています。
一度治ったところがまた痛み出した、繰り返し同じところが痛くなる…などの症状でお悩みでしたら、一度ご相談ください。
2018.1.25投稿
2022.8.23リライト
トレーニング , 施術について , 症例報告
2022年08月9日
宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
皆さんがネットなどの情報に惑わされないように大事なことをお伝えることができるように研鑽を積んでいきたいと思います。
昨今のSNSやネットを見ていると、どうしても奇抜でキャッチーなものが流行りやすく、患者さんにも質問されることが少なくありませんが、原理原則は知っておいた方が幸せになれます。
体幹トレーニングは大切。だけど。
先日、ご相談いただいた件。
かれこれ1年くらい足首の調子が悪く、医療機関を転々としていた方。
しゃがんで作業することが多く、痛くなったり痛くなかったりを繰り返し、最近では頻繁に腫れが出てしまう状況。
病院の検査では、骨や靱帯には異常がないということで最初のうちは患部の治療をしてもらっていたが、最近は体幹トレーニングの指導だけ受けていた、とのこと。
当院に来院されたときに確認したところ、土踏まずが落ちていわゆる偏平足のようになっている状態。
爪先を持ち上げるような足首の可動性を確認しても、プロネーションと言われる土踏まず側がつぶれるように上がってしまう傾向。
足指も自由に動かすことができずに、足部の機能異常が想像できました。
当院の施術としては足首にある舟状骨と立方骨という部分の位置が矯正されるような施術と足指の機能を戻すようなトレーニングを処方させていただきました。
また、足の機能が戻るまでは土踏まずを持ち上げるようなタイプのインソールの購入を勧め、スポーツショップで入手してもらいました。
プロネーション自体はすぐに治ることはなく、まだ見た目は偏平足気味ではあるものの、1か月半くらい経過したところから痛みを訴えることがなくなり、経過観察に至りました。
体幹を鍛えておけば何とかなりそうな風潮もよく見受けられますが、スクワットなどでしっかり負荷をかけることで体幹の筋肉も同時に発動されます。
フリーウエイトでのスクワットはもちろん、スミスマシンを使ったスクワットでも体幹の筋力の発動は起こると言われています
私も体幹という言葉が流行っていたころは体幹トレーニングを重視していましたが、最近では足部の状態を良好にして、スクワットなどで足腰にしっかり負荷をかけるトレーニングを行い、必要に応じて体幹トレーニングを補助的に行う、という考え方に行きついています。
まとめ
人間が二足歩行で生活しているうえで地面と接しているのはどこでしょう?
足です。
もちろん体幹の強さは大切です。が、地面に接している足部の状況が良好でないと、せっかく鍛えた体幹も発動してくれません。
日常生活やスポーツのほとんどは足が地面や機材に接地した状態で行われます。
シンプルにスクワットがしっかりできる足腰、体幹があれば理想的です。スクワットは決して下半身だけのトレーニングではありません。
体の機能に問題がある場合、ある部分だけ鍛えればよいということはありません。
何から始めればよいか分からない方は、まずはシンプルにスクワットから始めても良いかもしれません。
患部の治療だけでなく、正しいスクワットの指導も当院にお任せください。