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可動域向上・動作改善・強化による根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
今回は足首を捻挫した時などに施すテーピングについて当院の考えをご紹介します。
私自身、足病学について少しかじっていますが、地面からの力を伝えるうえで足部ならびに足首(足関節)の機能は重要視しています。そのうえで、足首の捻挫に関しては「最小限の固定」を意識しています。
足首を捻挫した、または捻挫の既往がある方の参考になればと思います。
捻挫の重症度
一般的に、関節の捻挫の損傷度合いは以下のように表現されます(文献によって違いがありますのでざっくり書きます)。
・Ⅰ度損傷 靭帯が伸びた損傷(一部損傷あり)、関節包は正常
・Ⅱ度損傷 靭帯の部分断裂、関節包の部分損傷
・Ⅲ度損傷 靭帯・関節包の完全断裂
といったように評価されます。
内反捻挫(足首を内側にひねった状態)で、Ⅲ度損傷くらいの外力(場合によってはⅡ度)だと、外果(外くるぶし)等の剥離骨折を伴っている場合もありますので、当院の考えとしては医療機関で詳細に検査する必要があるレベルであると考えています。
一般の方ですと判断が難しいと思いますが、2~3日経って指先まで内出血が広がっている場合には医療機関でレントゲンなどの検査を受けるべきです。もちろん、捻挫後すぐに酷い内出血が見られる場合も同様です。
ただ、整形外科の先生の中には「受傷直後だとレントゲンで骨折箇所が映らない場合もある」と仰る先生もいるので、1週間~10日後に再度、画像検査することも必要な場合もあります。
足部周辺の既往歴は後々面倒なことが多いので、当院としては「気にしすぎるくらい気にしても良い」と考えています。
ガッチリ固定された場合はどうする?
病院では骨折があったり、Ⅲ度損傷、場合によってはⅡ度損傷でもギプス固定をする場合もあります。
その場合には「固定期間終了=完治」というわけではないので注意が必要です。
固定期間も大事ですが、機能回復を考えた場合には固定を外してからが重要です。
長期間固定をしていることで足関節の可動域は必ずと言っていいほど低下します。また、それに伴い足部の筋肉や足関節を動かすための筋肉は萎縮したりで筋力が低下します。
joint by jointの理論で考えると、「足部=安定性、足関節=可動性」が必要になりますので、長期間固定することでこれらの関係性が逆転してしまうことも考えられます。
また、運動連鎖を考慮してもjoint by jointの考え方は重要で、あるところに障害があって機能低下が起これば必ず別のところで代償をおこないますので、それが別のところのケガに繋がることもしばしばあります。
そういったことからも、ギプスなどの長期間の固定後の機能回復のための治療やリハビリは重要になります。
当院の考えとしては「固定は最小限」
もちろん、骨折やⅢ度損傷などの重傷なものにおいてはきちんと固定をした方が良いです。
ただし、当院としてはその患者さんが日常生活でどれくらい足首に負担がかかる生活をしているか、によって固定度合いを決定しています。あくまで足首の固定は最小限にしたい、と考えています。
ATC(アメリカのアスレチックトレーナー)の先生の話によると最近では海外のスポーツ現場でも競技中以外の固定は最小限にとどめる流れも増えてきているようです(※あくまで競技中はしっかり固定)。
理由としては先にも述べたとおり、足首・足部周辺の機能障害によって他の場所に起こる代償動作が、より深刻な問題であるということです。
当院としては…
・骨折やⅢ度損傷が疑われるケースは医療機関に紹介
・Ⅰ度損傷の場合にはキネシオテープくらいの固定
・Ⅱ度損傷で骨折を合併していない場合にはホワイトテープくらいの固定と腫れを軽減させるための包帯圧迫
といったものをベースに、その方が日常生活でどれくらい動かなければいけないかによって、もう少し固定力を上げる処置を施す場合もあります。
固定期間は経過によってまちまちですが、なるべく早い段階での固定除去をおこないます。本番はそこから始まる機能回復のためのトレーニングです。そこが改善されていなければ後々の問題発生リスクになりますので、ここからが大切な時期になります。
まとめ
・ヤバいくらい腫れている場合には病院で検査を(直後でレントゲンに映らない場合もあるので後日再検査も要検討)。
・無駄にガッチリ固定すると足首の機能を損ねる場合があるので、固定は最小限に。
・ギプスなどでガッチリ固定した場合には固定除去後の機能回復のためのリハビリが重要。
・足首や足部の機能障害は他のところに代償動作をもたらすケースが多いので注意が必要。
・迷った時には専門家にご相談を。