腰痛・坐骨神経痛・ヘルニアでコルセット生活

宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

腰痛、ヘルニア、坐骨神経痛などでコルセットをしながら生活している方も少なくないと思います。

コルセットが手放せないという方もいらっしゃいますが、よく言われる「基本は着けない」「いざという時に着ける」という考え方で間違えないです。

その辺りを当院の症例と合わせてご紹介します。

コルセットをつけると筋肉が落ちる?

これに関してはいろいろな議論がされていますが、ざっと探した限りはっきりした論文などは見つかりません。

どちらかというと「コルセットをつけた場合の筋肉の活動」であったり「コルセットの代わりになる筋肉をつけたらどうなるか?」といった内容の論文はよく見かけます。

はっきりと言えませんが、さまざまな側面を考慮して端的に言い表したのが、よく言われる「コルセットをつけると筋肉が落ちる」という表現になるのかと思われます。

ただ、現場で多くのコルセット着用患者さんをみていると、筋力以外にさまざまな影響を受けている「かもしれない」と感じることが多々あります。

何のためにコルセットをつける?

腰という構造自体、他の骨を利用して安定化を図るというよりも、筋力で安定化を図る傾向が高い場所です。

腰の痛みは動きを伴うと発することが多いため、コルセットをして不安定な腰の動きを制限してしまえば痛みは発しにくくなります。

また、筋肉の代わりとしてコルセットを着用することで腹圧が高まり腰が安定する、とも言えます。

コルセットにはそういった役割があるので、痛みが強い場合には着用していても構わないと当院では考えています。

ただし、痛くないのにコルセットをしている方はどうでしょう。

本来であれば「痛みの軽減のため」コルセットをするので、痛みがない場合の着用は当院では勧めていません。

例外として、重いものを持たなければならないなどの理由がある場合には、その時に限定して着用してもらうようにしています。

もっとも、当院では「筋肉の代わりとしてコルセットを着用するなら、コルセットの代わりになる筋肉をつければいい」という考えです。

長期間のコルセット着用の弊害

これに関してはあくまで推測です。重症腰痛の来院者が多い当院の経験上の話です。

重症腰痛の方はコルセットを長期間着用していることが多いですが、その方々に共通して言えるのが「腰椎(腰の骨)と仙腸関節(骨盤の関節)の可動性が悪い方が多い」ということ。

腰椎と仙腸関節自体、そもそも大きく動く関節ではありませんが、本来、動作の中で多少の動きを確認できます。

それが、コルセットを長期間着用している方の多くでは確認しにくい。

当院は一治療院であり研究機関ではないので、それ以上深く調べることはできませんが、長期間の圧迫や可動制限によってそれらの関節の動きが悪くなるケースがあるのではないかと推測しています。

そして、コルセットを長期間着用している方の回復速度は、着用頻度の少ない方よりもゆっくり目なことが多いと感じます(とくに可動制限の改善に関して)。

そういったことから、着用は限定的にした方が良いと結論付けています。

当院で勧めているコルセット着用

最後に、当院で患者様にコルセット着用について指導する際の注意点を。

・痛みがある場合は着用して楽であれば使いましょう。
(免荷状態に近い寝ている時は外してもらうことの方が多いです。)
・痛みがない場合は外しましょう。
(「痛くないけど着けてないと不安」という場合にはコルセット代わりになる筋力をつける努力をしましょう。)
・痛みがなくても重いものをもったりする場合には使っても良いでしょう。
(元々の体幹力が強くても、いざという時に上手く使えないのであれば着用した方が良いかもしれません。当院では動作を見て判断します。)

長期間の着用は、何かと弊害が起こるリスクをはらんでいます。

長い目で見て「コルセットなしでも生活できる」という目標を立てる必要があるでしょう。

また、頑張ってコルセット代わりとなる筋力を獲得できたとしても「どのように使うのか?」というところまでトレーニングしないと負担が軽減しないこともあります。そこは専門家である我々にご相談いただければと思います。

辛い時には頼るべきですが、(人生と一緒で)楽な方ばかりに流されると、結果が良くないこともあります。

何か感じることがあるコルセット長期利用者のあなた。ご不明なことがあればお気軽にご相談ください。