宇都宮市JR岡本駅より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
当院にも中学生、高校生の球児たちが来院されることも少なくありませんが、特に高校生ではいまだにベンチプレスやクランチ(仰向けでの上体起こし腹筋トレーニング)を積極的に行っている球児たちもいるようです。
以前参加したセミナーでご一緒したメジャーリーグにインターン経験のあるプロ野球のトレーナーさんが仰っていた『MLBの選手でベンチプレスしている選手はほとんどいない』との言葉に衝撃を受けていろいろ調べていった結果、やはり投球動作における弊害があることが分かってきました。
当院に来院される肩肘障害を持っている球児には『クランチ&ベンチプレス禁止』を言い渡しているのですが、ひとりでも多くの肩肘痛を抱えている球児たちの参考になればと思います。
野球やオーバーハンドでおこなうスポーツにおいて、クランチやベンチプレスがもたらす影響を一情報として知っておいて欲しいところであります。
クランチが投球動作に良くない?
クランチで鍛えられる筋肉といえば『腹直筋』です。
腹直筋といえば恥骨から胸骨・肋軟骨につく腹筋の表面にある筋肉です。
がっつり鍛えるとシックスパックになって男女問わず憧れの筋肉でもあります。
ただ、この腹直筋、投球動作では固くしたくない筋肉です。
というのも、投球時の上体は反る方向に柔軟でいたい(特に胸郭・胸椎)のですが、腹直筋の固さは上体を反るのを邪魔します。
以前のブログにも挙げましたが、胸郭が反れなければ肩を余計に外旋させて動きを加速させる傾向が出てきます。
これが肩を壊す一つの原因。
また、投球動作でクランチの動きをしているかと言ったらそういうことはなく、単なる上体の屈曲だけでなく回旋も伴っています。
ということは、クランチばかり頑張っても投球動作に活かしきれないとも考えられます。
ベンチプレスも投球動作に良くない?
ベンチプレスは主に大胸筋を代表とする胸の筋肉のトレーニングですが、胸の筋肉が固くなると胸が反りにくくなると同時に肩がしっかり後ろに引けずトップの位置が十分に取れないことも考えられます。
また、ベンチプレスで頑張って重りを上げようとすると、首の周辺の筋肉が固くなったり肥厚したりします。
首の筋肉が肥厚すれば、肩甲骨や腕に行く神経を圧迫し運動機能に影響を及ぼします。
良く言われる『胸郭出口症候群』であったり、去年話題になっった『長胸神経麻痺』を患うことも考えられます。
胸郭出口症候群であれば肩や腕に痛みが走ったり、長胸神経麻痺であれば投球時の肩甲骨の安定性がなくなったりしてしまいます。
最近ではベンチプレスによってこれらの弊害が起きやすいと言われるようになり、ベンチプレスに変わるトレーニング方法が取り入れられるようになってきました。
肩の外旋動作を伴うプレス動作であれば影響が少ないと言われているのですが、やり方の詳細などは当院のパーソナルトレーニングで指導させていただいていますので、ご相談いただければと思います。
病院の診断ではっきりした原因が分からなければトレーニング方法を見直すべき
レントゲンやMRIなどの検査を受けたけどはっきりした原因がわからない場合には、今まで行っていたトレーニング内容を見直したり、肩の損傷以外の問題も探る必要が出てきます。
先に紹介した胸郭出口症候群や長胸神経の問題も考慮する必要があるかもしれません。
特に練習中のトレーニングでクランチ、ベンチプレス、バックプレス、チューブを使ってインナーマッスルを頑張りすぎている場合、手押し車みたいなトレーニングをしている場合には注意してみてください。
ちなみに、チューブを使った肩のインナーマッスルのトレーニングの仕方も数年前から徐々に変わってきています。
注意の仕方がわからない場合には鍼灸接骨院トレスにご相談下さい。
もちろん、固くならないトレーニングの仕方も存在します。
要は『何をするか』ではなく『どうやるか』が大切です。