持久系競技にはHIITも良いけどFrenchContrastトレーニングもオススメ

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

今回は持久系競技に取り組む方へのご提案。

フルタイムワーカーなど、競技練習やトレーニングに多くの時間を割けない方に私が最近推しているトレーニング方法をご紹介します。

少し前に話題になったトレーニング方法でしたが、良さを再確認できたのでシェアしたいと思います。

※あくまでも「これだけやっておけば良い」というトレーニングはありません。複合的にトレーニング戦略を立てる必要がありますので、その一例としてとらえてください。また、2023年1月現在の推しなので、時間が経てば別な方法をお勧めしているかもしれませんがその点ご理解の上、参考になれば幸いです。

持久系競技に取り組む方の理想形

パワーウエイトレシオが重要視されるように、「体重は軽いけどパワーがある」これが持久系競技者の理想形でしょう。

また、サイクリングではパワーが重要視される昨今、パワーを上げたいサイクリストは多いと思います。

サイクリングやランニングなど持久系競技では、体重が軽ければ軽い方が有利になることが多い(ここではド平坦系サイクリストは考慮していません)ですが、一般的に筋力は筋肉の太さ(横断面積)に左右されます。

筋肥大させることが筋力向上のために大切な要素になりますが、筋肥大するということは体重増加も比例して起こるため、これが持久系競技者がウエイトトレーニングを敬遠している理由の一つと思われます。

パワーがついても重くなってはパワーウエイトレシオ的には変化が少なくなってしまいますからね。

が、理論上、「筋肥大は最小にしつつ筋力向上を狙う」という負荷設定は存在しています。これが可能なら持久系競技者の理想に近づくかと思います。

ポイントは1RM(1回挙げることができるギリギリの重量の目安)の90%以上の負荷。

筋肥大させるのには1RMの80%の負荷が良いとされていますが、90%以上の負荷となると筋疲労が起こる前に神経系の疲労が起こり、筋肥大が起こるフェーズに入る前に挙上できなくなるため、筋肥大よりも筋力向上のトレーニングに向くと言われています。

これなら「筋肥大は最小にしつつ筋力向上が狙える」かもしれません。

当院では1RMを測定したうえで、補助があれば3回ギリギリ繰り返せる重量に設定しています。

また、最近のトレーニング界隈ではVBTと呼ばれる考え方が流行っており、速度・動作スピードを重視する傾向もみられてきました。

そういったことを考慮する場合、90%以上の負荷でトレーニングすれば、挙上スピードはおのずと遅くなってしまうため、高重量のウエイトトレーニングだけやれば良いということにもなりません。

そんな時にお勧めなのがフレンチコントラストトレーニング。

フレンチコントラストトレーニングのやり方の一例

HIITやタバタトレーニングは既に取り入れている方も少なくないと思いますので、今回は割愛します。

HIITとは違った意味でフレンチコントラストトレーニングも良いトレーニングです。

当院では持久系競技の方にトレーニングを処方することが多いので、下半身メニューの一例をご紹介します。

①1RM90%以上の重量でのスクワット3回

②1RM30~40%程度での重量を持ってのスクワットジャンプ4~5回

③自重でのスクワットジャンプ4~5回

④チューブなど補助道具を使ってのスクワットジャンプ4~5回

⑤休息4~5分

以上のメニューを4~5セット行います。

90%以上の高負荷を高い速度で動かすことは不可能なので、①で足りなかった速度の部分を②③④で補える可能性があります。

パワーは力×速度で求めることができます。

とにかく重い物を持ち上げるだけでなく、スピードにも着目する必要があります。

雑に説明するなら、100キロの物を時速1キロのスピードで挙げるのと、50キロの物を時速2キロのスピードで挙げるのは同じパワーを発揮していることになります。

自己流でウエイトトレーニングをやってきて「動きが遅くなった」「体が重くなった」気がしている方は、速度に対して考慮したトレーニングを行っていなかったことも考えられます。

そのような方は一度トレーニング指導者の下、トレーニングを行ってみてください。

トレーニングは指導者の下で行いましょう

1RMの測定に関しても、自分の感覚で行うよりも、指導者がいる環境の方がより正確に導き出せます。

「潰れた時のために補助してくれる人がいればもう少し重いのを上げられそうなんだけどな…」と思ったことのある方も少なくないかと思います。その点で考えてもトレーニング指導者の下、測定し、トレーニング指導を受けた方が良いトレーニングができます。

また、1RM90%以上という高重量を扱うことになるので、補助してくれる人がいた方が安全ですし、しっかり追い込みやすい環境も作れます。

また、フォームの乱れなどの確認や、回数・セット間休息の設定も自分の感覚だけでなく他者に評価してもらいながら行った方が良いトレーニングが行えるはずです。

時間のないフルタイムワーカーの方などは、トレーニング指導者を付けてトレーニングを行った方が効率的に競技力向上が見込めるでしょう。

ウエイトトレーニングに良い印象を持っていない持久系競技者の方の多くは、自己流でやっていた人が多いはずです。一度CSCSやJATI-ATI等といった資格を持ったトレーニング指導者を付けてトレーニングしてみてください。

きっとウエイトトレーニングに対する印象が変わるはずです。

最後に

今回紹介したフレンチコントラストトレーニングはフルタイムワーカーや時間のない方へ向けて提案させていただきました。

プロ選手や、トレーニングにたっぷり時間を割ける方であれば、この他にもいろいろなトレーニングを複合的に戦略的に行うべきでしょう。

私自身もそうですが、仕事をしているなら、限られた時間の中でトレーニングする際には「効率化」が大変重要になってきます。

ましてや、自転車競技やマラソンなどは、どうしても競技練習の時間が長くなってしまい、他のトレーニングに時間を割くことが難しくなりがちです。

そんな中、今回紹介したフレンチコントラストトレーニングを取り入れていたフルタイムワーカーの方が、先日行われた全日本シクロクロス(マスターズの部)で日本一という結果を出してくれました。いつの間にかスクワットの挙上重量もかなり向上していたり、本人の頑張りが実を結んだ嬉しい出来事でした。

これを読んだフルタイムワーカーの皆さんも効率よくケガの予防や競技力に繋がるトレーニングができることを願っています。

今回の内容がスポーツに打ち込むフルタイムワーカーの皆さんにとって少しでも参考になったなら幸いです。