筋挫傷~肉離れの治療~

宇都宮市JR岡本駅東口より徒歩5分。
可動域向上・動作改善・強化による症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。

私事ですが、恥ずかしながら8月に参戦したエクステラ丸沼のマウンテンバイクパートで落車し、その際に肉離れを起こしました。

その際のケガの経過と治療内容などを記したいと思います。

バーエンドが太ももに刺さり前転

スイムを無事にこなし、難易度が高いと評判のマウンテンバイクへ。

途中で軽い落車はしたものの、コース中盤の激坂のダウンヒルにてハンドルを取られ派手に前転。

その際にハンドルのバーエンドとトップチューブに太ももが挟まり、バーエンド部分で大腿四頭筋上部を強打。というかグリっとなりながら落車。業界用語で言うところのチャーリーホースです。

リスタートした時に普通の痛みではなかったので、これはやってしまったと感じたものの、レース中はアドレナリンか何かによって誤魔化されるもの。

どうにかこうにかバイクを終えて降車した瞬間に激痛だったので、この時点で普通ではないのを確信。

でも、この時点でもリタイアは頭の中になく、這ってでもゴールする気になっており、結果として想定以上の悪化をしてしまったというのが事の顛末。

ゴール後の状況

ゴール後は気持ちが切れたせいか、かなりの痛み。

患部は膨らんでおり、その中央部分が凹んでしまっているのが触って分かる状況。

その日は家族サービスでレース会場から直接湯西川温泉に泊まりに行く予定だったため、丸沼から2時間弱の運転。

ケガしたのは左脚で、幸いオートマ車なので運転には支障なく。

ただ、車から降りた際には足を付けないくらいの痛みで、足を引きずりながら駐車場から歩いてどうにかこうにか部屋着。

ここで患部を確認すると腫れが酷くなっており、写真の状態に。

おかげで擦過傷に関しては何の痛みもなく、良いのだか悪いのだか。

せっかく温泉に来たのに、腫れが酷すぎてその晩はシャワーで済ますという残念な結果。

受傷後~1週間

出先のため、受傷した日にアイシングはできなかったので、その後3日ほどは入浴前のアイシングと、冷却材と包帯圧迫による腫れの軽減を狙いました。

状況としては腫れ及び内出血がみられ、膝の屈曲も90度程度で痛みを伴い、もちろんしゃがめない状態。

文献等を見ると、アイシングに関しては受傷24時間程度が基本線。早く治すためにはアイシングは長くやり過ぎない方が良いとの結果が出ています。

たしかにその方が早く治りそうだということは理解できるものの、痛みが酷すぎて日常生活に支障が出ているレベルであれば、もう少し長い期間、アイシングをしても良いのかと感じています。というか、今回はしないと無理でした。

イメージとしては痛みを誤魔化すなら冷やして、早く治したいならアイシングを早めに切り上げて温めていく、といった感じです。競技者で1日も早く復帰したいなら前者で、一般の方で日常生活に支障があるなら少し長めに期間を見ても良いのではないかと経験上、感じています。

アイシング、包帯圧迫と並行して行ったのが超音波による物理療法。

損傷部位によって設定は変わってきますが、今回は3MHz・出力1.00w/㎠・100%で4分を営業前と後にかけました。

4日目以降は冷却材はせず、超音波と包帯による圧迫固定。冷却材の代わりにマイクロリカバリーパッチという去年の箱根駅伝で少しだけ話題に上がったシールを貼り、その上から包帯で圧迫を行いました。パッチの効果のほどは信じる者は救われる程度の期待として。

トレーニングはもちろん走ることもペダルを回すこともできなかったので、キックを打たずにスイムを1回やったくらい。

運動できないことがかなりのストレスになるのを再確認しました。

受傷後1週間~

だいぶ腫れは引いてきたので包帯圧迫は終了。

超音波と並行してホットパックで温めたり、2日おきの鍼治療を始めました。

腫れは引いたものの、内出血は残っていたため、それらを散らすイメージで周辺部分に鍼を打ちました。

3回ほど繰り返し内出血は徐々に消えていきました。

10日から2週間ほど経過して内出血が引いてからは、当初凹んでいた部分が硬結(しこり)になってきたので、その部位に直接鍼を打ちました。

そのタイミングくらいから患部のマッサージを開始し、しこりになった部分をほぐしていくように施術しました。

ちなみに、患者さんから「肉離れって癖になるんでしょ?」と聞かれることがありますが、しこりを残したままにしておくとその部分、またはその両端あたりで再負傷するケースがみられます。

そのため、治る過程でできるしこり部分に対してのケアは重要になってきますので、我々などケガの治療ができる有資格者に相談しましょう。

2週間ほどで完全にしゃがめるようになっていたものの、しゃがんだ時にしこりがある部分で強いツッパリ感が残っていたので、もう少し時間がかかりそうな印象でした。

ただ、膝が曲げられるようになったからか、ペダルを漕げるまでに回復しており、この頃から自宅で軽い負荷での自転車ローラーを再開しています。

スイムに続いてバイクにも乗れるようになったので、順調です。

受傷3週間~

治療に関しては引き続きホットパックと超音波、鍼治療とマッサージを継続しました。

しゃがんだ時の患部のツッパリ感は残っているものの、感触は良く、この頃から軽いジョギングを再開しています。

ダッシュするのは怖いけど、キロ5分15秒くらいの緩めのペースなら問題なく走れる状況でした。

ちなみに、受傷1週間くらいから怪我をしていない右足のトレーニングとしてブルガリアンスクワットとレッグエクステンションを血流制限下でおこなっています。

理由としてはケガしている左足の筋力をなるべく落としたくなかったため、生理学的反応を期待して健側下肢への負荷はしっかりかけておきました。

それでもやはり患側左足が細くなってしまっている感じがあったので、受傷3週間前後のタイミングで自重でのスクワットやランジなどを始めています。

負荷をかけた下肢のウエイトトレーニングは受傷4週間くらいからダッシュできるようになったタイミングで再開しています。

受傷4週間~まとめ

患部のツッパリ感もなくなり、スイムのキック、バイクでのトルクをかけたペダリングやダンシング、ランでのダッシュ系メニュー、下肢のウエイトトレーニングも不安なくこなせるようになっています。

筋損傷のレベルとしてはⅠ度からⅢ度に分類されますが、今回のケガは酷めのⅡ度だったかと思われます。

通常、Ⅱ度の筋損傷であれば治療期間は4週間~10週間または2か月程度といわれます。

幸い、自分で治療ができる立場であったため、2週間程度で運動再開できるレベルまで回復させることができ、4週間でケガする前と同じ負荷をかけることができたので、いかに積極的な治療をするべきか再確認できました。もちろん、摂取する栄養も気を付けながら。

その後1か月半くらいでバイクとランのパフォーマンスもケガ前のレベルまで戻っています。

残念ながら、これらのケガは一発で治るものではありませんが、積極的な治療介入により早期の復帰を叶えることができます。

また、しっかり治しておかないと再負傷のリスクも残ってしまいますので、ご自身の判断に任せず専門家に相談するようにしましょう。