宇都宮市JR岡本駅徒歩5分。
可動域向上・強化・動作改善による、症状の根本改善を目指した施術とパーソナルトレーニングを提供している鍼灸接骨院トレスです。
先日、SFMAセミナーに参加してきました。
(追記:平成29年4月6日7日に再受講してきました)
SFMAとは
selective functional movement assessment の略。
動作をみてどういった機能障害があるのか(関節なのか?筋肉なのか?運動制御の問題なのか?前庭の障害なのか?など)を判別するための評価方法を学ぶセミナーでした。
その人の今ある痛みや症状(結果)は、何が【原因】で起こっているのか?を見極めるための理論と考えるとイメージしやすいでしょうか?
もともとアメリカから入ってきた理論なのですが、セミナー冒頭で講師の先生が「障害の8割はなんらかの動作不良が原因です。急性外傷でも動作不良がリスクになります。日本のコメディカル(医療従事者)でその辺を理解している人は少ない。」と仰っていました。
治療家歴15年の見解としても「結局は動作改善しなければ根本解決には至らない」と思っていましたので、まさに自分が求めていた内容でありました。
以前から取り入れていた理論ではありましたが、正規のセミナーに参加すると改めて新たな気付きに出会うことができました。
ただ1日8時間×2日間でテキスト200ページ分のボリュームはかなりきつかった笑。もう少し若ければ何てことないのでしょうけど、この辺で年齢を感じました。
細かい検査の仕方などの内容の話を書いてもアレなので、概論的な内容にとどめておきます。
追記:
2018年に内容がアップデートされた、ということで再受講するタイミングをうかがっていましたが、2019年7月にレベル2を受講するスケジュールが組めたタイミングで再受講してきました。
最初に受講した時にはついていくのがいっぱいの状況でしたが、過去2年でSFMAの評価を当院でのサービスに取り入れていたので、すんなり聞くことができました。
また、アップデートしたところはもちろん、今トレスで提供していることをマイナーチェンジしていかなければならない、とも感じる今回のセミナーでした。
講師の先生も「再受講すべき」と仰っていましたが、1度の受講で「難しいからあきらめる」のではなく、一定期間取り入れてみて再受講すると理解が深まる、そんな印象を持ちました。
受講料は決して安いものではありませんが、再受講することを前提に考えれば、妥当な金額であると私は思います。
痛みと他の部位の関連性
身体の一部分の障害が他の部位の痛みや機能障害と関連しているという研究は数多くあります。
良く言われるのが、腰痛と股関節の機能障害や首痛と胸椎(背骨)の機能障害の関連性。
このように身体の各部位は互いに依存しているところがあるので、そこ自体に痛みがなかったとしても機能障害があったりするので痛いところだけを治療していても根本改善には至らないということがお分かりいただけると思います。
もう少し詳しく言うと、身体にはモビリティ(動いてほしい部分)とスタビリティ(安定していてほしい部分)が以下のように交互に存在しています。
足部⇒スタビリティ
足首⇒モビリティ
膝⇒スタビリティ
股関節⇒モビリティ
腰・骨盤⇒スタビリティ
胸椎(胸郭)⇒モビリティ
頸椎⇒スタビリティ
OA(頭と首の骨の関節)⇒モビリティ
肩甲帯⇒スタビリティ
肩⇒モビリティ
肘⇒スタビリティ
手首⇒モビリティ
手部⇒スタビリティ
こんな感じで動いてほしいところと安定していてほしいところが交互に配置されているのですが、動いてほしいところの動きが悪ければ本来、安定していないといけないところを動かすようになってしまったり、安定していてほしいところの安定性が悪ければ動いてほしいところに無駄な負担がかかったりしてしまいます。
そのようなケースでSFMAの理論を使うことによって、どんな施術をするべきなのか?どんなコレクティブ(修正)エクササイズをすべきなのか?をきちんと鑑別することができます。
当院でも「股関節の動きが悪いと腰に負担かかりますよ?」とか「足首の動きが悪いと膝痛めますよ?」などと説明させていただくことも少なくありませんが、こういった背景があるために痛めてしまうことがほとんどです。
追記:
軟部組織の問題なのか?関節自体の問題なのか?運動制御の問題なのか?は、SFMAのロジックを理解するとある程度判断がついてきます。(前庭障害の方にはまだお会いしたことはありませんが)
実際に、当院でSFMAの理論で判断をし、施術やエクササイズでアプローチして改善していったケースも少なくありません。
もっといえば、きちんと評価もできずに施術に入ることは、マシンガンのように「数撃てば当たる」ということにもなりかねませんし、患者さんの身体を逆に悪くすることもあります。
そういった意味で、評価するスキルはとても大切と考えます。
(病院も含め)いまだに問診や検査が数分で終わることが多い治療院業界。
数分で患者さんの何が分かるというのでしょうか?
たった数分の情報を先生に伝えただけで身体を触られたり、薬を出されることに抵抗はありませんか?
SFMAは、はっきり言って時間のかかる評価方法ですし、すべてのことが分かるとまでは言いませんが、改善までの道筋をきめる上で有用な理論だと感じています。
可動域を改善させるだけでは根本改善には至らない
そして、股関節の動きが悪いからといって治療やストレッチで股関節の動きを良くするだけでも根本改善までは届きません。
最終的には股関節が動かない状態で動くことを覚えてしまった脳のデータを正しい動作に書き直してあげなければなりません。
トレスで行っているのは、そのためのトレーニングであったりエクササイズです。
当院にいらしてもゴリゴリのマッチョにはなりませんが、効率よく負担のかかりにくい動かし方に戻していく事で、症状の改善や再発を予防することが可能になります。
追記:
4×4matrixの概念の通り、寝た状態で、四つ這いで、立ち膝で、立った状態で…ときちんと動かせるようになってからウエイトは持つべきです。
仕事や家事等で物を持つことも同様で、何も持っていない状態で上手く動かせないのに、はたして持った状態で効率よく負担のない動きができるでしょうか?
可動域の改善は、マッサージなどの徒手的な介入と、理にかなったストレッチである程度は改善していきますが、動きの問題があれば、緩んだ状態は長くは続きません。
根本的に改善したいのなら、ベッドの上で出来る治療やストレッチだけでは足りません。
本当に改善したいなら、当院でお手伝いできることがあるかもしれません。ご相談ください。