アキレス腱断裂、ご存じでしょうか?
アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱が切れる怪我です。スポーツ中の急な踏み込みやジャンプで発生しやすく、特に30〜40代に多く見られます。
主な症状
- 断裂時に「バチン」という音や感覚
- 激しい痛みとかかとの腫れ
- つま先立ちができない
- ふくらはぎに凹みができる
今回はこのアキレス腱断裂についてお話をしていきます。
運動会シーズンに頻発していたアキレス腱断裂
最近は小中学校の運動会は、5月または6月におこなうことが多いみたいですね。
私の時代は秋(体育の日あたり)だったのに…と、時代を感じます笑。
そんな運動会ですが、最近ではお父さんリレーがなくなりつつあると小耳にはさみました。
なんでも、毎年のようにけが人が続出するため、やむを得ず自粛の流れになってしまっているようです。
あのお父さんたちの絡まる脚。派手な転倒。それを見るお母さんたちのここぞとばかりの爆笑度合。
風物詩と言っても過言ではないお父さんリレーがなくなるとは、大事件です。
運動会でのアキレス腱断裂
お父さんリレー自粛という背景もあり、運動会シーズンに担ぎ込まれてくるケースは少なくなってきましたが、運動会に限らず普段運動不足気味の方が瞬発系の動きをした際にはリスクがありますので注意が必要です。(ハムストリングの肉離れも同様に多いです)
アキレス腱の機能解剖的なところでは、一般的にアキレス腱部の血行は比較的乏しいと言われています。(とくに踵骨付着部付近)
そこに運動不足や逆にオーバーワークでの血行不良があれば、アキレス腱の弾性は低下してしまいます。
古いゴムをイメージしていただくと分かりやすいでしょうか?
古いゴムは引っ張っていくとヒビ割れして、やがては切れてしまいます。
もともとアキレス腱は1トンくらいの負荷なら耐えられるように作られています。
逆を言えば、「それだけ負荷がかかるところ」ということです。
そんな弾性が低下しているアキレス腱にダッシュなどで急激な負荷をかければ、切れるわけです。
アキレス腱断裂は痛くない?
私自身はアキレス腱の断裂経験はありませんので、あくまで患者さんの話や教科書上の話をすると、アキレス腱が切れてしまっても痛みはそれほどひどくないようです。
ちなみに、私が以前勤務していたテニススクールが入っているスポーツクラブでは1年間に最高で6件のアキレス腱断裂を処置した経験があります。
そして、アキレス腱を切ってしまった方が決まって言うのが「脚に何かぶつかった」「膝カックンされて」「そんなに痛くはない」ということ。
そういったことからも教科書通り、痛み自体はそれほど強く出ないようです。
もし、切れてしまったら…(対策) そんなことにならないように(予防)
近年ではアキレス腱が断裂してしまっても保存療法で治すケースも少なからずあります。(手術しないで治すこと)
ただし、その場合にもガッチリ固定して、経過ごとに固定角度を変えたりと、なかなか大変なケガです。
そんなことにならないように、日頃のケアをしておく必要があります。
先にも述べたようにアキレス腱自体の血流が乏しいので、影響を受けるふくらはぎの筋肉は硬くしたくないところです。
セルフで出来るケアとしてはVYPERやストレッチロールといったツールを使って、ふくらはぎをほぐしたり、アキレス腱伸ばしのようなストレッチをしたりすることがやりやすいのではないでしょうか?
また、ある論文ではアキレス腱に鍼通電療法を施したところ、血流の改善が見られたという発表もあります。http://www.meiji-u.ac.jp/research/files/shinkyuigaku32_15.pdf
我々のようなプロにケアを任せるとしたら、アキレス腱への鍼治療がおススメです。
最後に
ひとりのおっさんとして、運動会でお父さんが走る機会を奪われるのって寂しいくないですか?
もはや「おっさんたち走らせるとケガするからな~」と言われている気がしてなりません。大袈裟ですが笑。
子供たちにお父さんの勇姿を見せる貴重な機会である運動会。
お父さんたちもきちんとケアしてトレーニングして「おっさんだってやれるんだぞ」っていうところを見せようじゃありませんか。

 
	
 
			 
			